今週は月末期限の案件の追い込み。追い込みと言っても納期 < 品質ですので無理はせず、一台一台必要な時間をとって行っていきます。
これはSV-91B / PSVANE WE300Bバージョンのメインテナンス状況。310Aの一本がエミ減になってドックイン。タマ一本替えることで全体のバランスが変わるので、最適なアラインメントをとるために測定しながら真空管の配置を変えているところです。
これは先日の認定中古の”後変”案件ですね。整流管がSTC 4274B(UK)にアップグレードされた状況です。4274Bも10~15年前までは普通に入手できましたが、いまはトンと見なくなりました。ヴィンテージ系真空管の入手は今後ますます厳しくなっていくことは間違いありません。
これはSV-Pre1616D前期バージョンの5年点検完了状況です。電気的には全く問題なかったので機構系の再締結と端子部の研磨, ヴォリューム, バランスVRのアルコール洗浄のあとカップリングをASCにアップグレードというケースです。これでまた新品気分で使えます。
今週末納品予定の別のSV-Pre1616D。ペアとなるSV-P1616D / Prime 300B ver.4仕様との音色的整合をとるため様々検討した結果、真空管はX-X-Uとし、整流管をHALTRON 5R4GYとすることに決まってエージングしているところです。カソフォロ(V3)をU7にすると重心が下がります。X-X-U+整流管の組合せは最も中庸でお奨めです。
このSV-91BはWestern Electric 300B(Batch2426)でエージング中です。お客さんは310Aも274BもWesternが良かったのですが、モノ的に揃っても電気的にベストを組めるような調達状況ではないので310Aと274BはPSVANE WEです。3年くらい前、一瞬USA 274B復活の噂が出たのですが、その後立ち消えに…どうなったのかな?
これが実機の内部。Arizonaはもう完全に定番化しています。前にも書きましたが当社がグレードアップパーツを部品レベルで供給するのには理由があります。
最初から製品組込状態で提供するとグレードアップ分の費用はイコール原価アップになるので、一般的な製造系企業のの原価計算では原価の三倍以上の製品価格上昇となるのが普通です。部品で提供すれば実費ベースで対応ができる…この発想はキットメーカーならではの知恵ですが、お客さんにも大きなメリットがあると考えています。
…という訳で頑張っています(笑)。まだまだゴールテープは切れませんが引き続き一台入魂でやっていきます。