アンプと手相
2024年 08月 11日
もちろん電気的状況を中心に診させていただく訳ですが、製品を見ればお客さんと製品との間合い、敢えていえば愛情のようなものもちゃんと伝わってきますので、旧くても程度の良いものは正当に査定させていただいています。
査定といっても電気的にダメージを受けているものは簡易的にメインテナンスしないと通電できない場合も結構ありますし、安易に通電して状況が悪化してはいけませんので、かなり気を使います。
たとえばこれ。
ちなみにパスコンがすっ飛ぶと電流帰還がかかってゲインが3dB程度下がるのが普通です。したがってブーン…ガサガサ…バチ等の異音とともに片chの音量が下がるような場合はG-Kの疑いがあるということですね。300Bのような励振電圧が高い(=バイアスの深い)出力管ではあまり起こらないのですが、今回は片側の300Bの不良によって発生していることが分かりましたので、300Bペア交換決定です。少々もったいないですが、次にお求めになるお客さんのことを考えれば当然の措置といえます。
これは久々入荷のKT120プッシュプル。機台はSV-P1616Dです。
そういえば毎月ある”後変”(あとへん)への対応として、今月から現状に加えてカップリングコンデンサーのグレードアップが可能な機種は注文時点で指定いただけるように出来ないかと考えています。
例えばこのSV-P1616DはArizona 0.22uFが4個必要になりますので、交換工賃含んで+3.5万円くらいで対応できます。世の市販アンプでArizona搭載品はどれも数十万~100万円クラス以上の製品ばかりですので、せっかく買うならこの機会に一遍にやってしまおうというお客さんが多い最右翼です。
今週末までに今月の出品品目のメドをつけないといけないので捻りハチマキ状態ではありますが、今月もしっかり準備していきますのでご期待いただければと思います。