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ソースそれぞれの”耳”

今日は日中に身内の集まりがあった後に家でお茶会。わたしの部屋でレコード,SP盤とカセットテープを聴く会に。過去なんらかの形で楽器に触った人ばかりなので、オーディオには全く興味がなくとも音楽には一家言ある人たちです。

最初はちょっと旧いのを聴こうということでSP盤を。
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Pablo Casals – Largo / Handel, Melody In F / Rubinstein, recorded January, 1915
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このカザルス盤。ちょっと興味深いのは上の写真のようなサインらしきものが入っていること。プレスと同時に機械的に入れたものかも…と思いながら詳細にみるとレーベルの上にまで溝が入っているので後から彫ったものかも…ひょっとして本人?ということはないと思いますが、約110年前カザルス40歳前頃と思われる演奏です。
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L'orchestre Philharmonique de Berlin, Bruno Walter - Le Chevalier a la Rose / R. Strauss

これは録音時期不明のワルター / BPOのR.シュトラウス”薔薇の騎士”。ワルター盤はSPだけでも100枚以上あり、LP時代になってからの音源も含め一番好きな指揮者のひとり。
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Jascha Heifetz – On Wings Of Song / Mendelssohn, recorded October, 1918

ハイフェッツの1918年独奏盤。これもLP等でリイシューされていますが当時の音源で聴くと違った印象の愛聴盤です。ハイフェッツのほかミルシテインやジンバリスト, クライスラーの演奏が聴きたくて蒐集した時期もあります。電気再生するかアクースティック再生するかでもSP盤は味わいが全く違います。いつかクレデンザを手に入れたいものです。
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Miles Davis - Milestones

SP盤からLPに代わってジャズを一枚。モノ盤の良さを満喫しました。部屋の真ん中に音が浮かぶ感覚はモノ盤の魅力のひとつ。スピーカーの存在が消え、演奏だけが存在するイリュージョンです。
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Dedicate to my father - 2+1

最近はカセットブーム。主に自分のLPを録音していますが時にはカセットの”新譜”を楽しむことも。我々世代には懐かしい、Z世代には新しい…不思議なメディアの代表格といえるでしょうか。

2時間ばかり一緒に聴いていた姉と義兄が”聴いていると違和感が全然なくなるね。耳が音源に慣れるのかな、音が良いとか悪いとか、新しいとか旧いとか忘れるよね”と言っていました。

業界的にも”SP耳”という言葉を聞いたことがあって、SP盤を聴いていると自分のなかで脳内補正がかかって、あたかもイコライゼーションされたように、このカマボコ特性がニュートラルなバランスに聴こえてくるもの。カセットを聴くときも独特のダイナミックレンジ感と音色に自分が慣らされていく感じが確かにあります。ソースそれぞれに合った聴き方を自然としているということですね。

誰かが言っていました。「エージングされるのは機器だけでなく、我々の耳と感性も次第に音に寄り添っていくのだ」…蓋し名言といえるでしょう。

by audiokaleidoscope | 2024-08-03 23:59 | オーディオ

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