SV-P1616D 多極管仕様 輸出バージョン試作
2024年 06月 30日


元々の出力トランスはSV-P1616Dに最適化された特注品(国産)でKNF(カソードNF)巻線を持っていますが、今回搭載予定のOPTにはKNF巻線がありません。NFBはアンプの微妙なバランスのうえに成立していますので設計的に非常にデリケートで設計変更が必要となります。
今回試作を依頼した職人さんのレポートによればデフォルトのNF抵抗と位相補正コンデンサー容量では可聴帯域外で発振。耳では分からず測定して初めて分かる事象であるだけに特に注意が必要です。結果的にOPT二次側に積分補正を追加して安定度を担保して完了としました。

これがEL34仕様, 積分補正ありの橋本OPT仕様の周波数特性と位相特性です。自分で言うのもナンですがゲイン29dB / 8Ω, 出力40W+40W, 周波数特性 10Hz以下~160kHz / -3dBという見事な結果になりました。KT170では15%~20%程度出力アップするでしょう。先日のエントリーで書いたMONO BLOCK化によってパラpp化すれば100W近い出力が現実のものとなりそうです。