モノづくりの責任
2024年 06月 14日

アンプが原因でスピーカーを飛ばす(故障に至らしめる)ことの最大の要因がこのDC(直流)印加と過大入力です。今回は半導体アンプだったのでアッと思った時には既に終わってしまっていたと思われます。スピーカーを飛ばす迄はいかなくても、中古の半導体パワーアンプでオフセット調整不全でDC成分が出ていることもありますので、購入時にオフセット調整はしてますか?と訊かれるとよいと思います。
話を戻してこのウーハー、パーツストックとしての在庫は保有しておりませんでした。ただ過去の買取品のなかには壊れていて正規の買取は出来ないものの、パーツ取り用途で買わせて頂いている場合があり、たまたまラッキーなことにツィ―ターが壊れている同世代のLSのストック(シルクドームツィ―ターをお孫さんが指でぐちゃっと押し込んで断線して再販不可能)があったので、そこからウーハーを外し単体で性能確認してみました。


お客さんには”中古品からの外し品なのでこの程度の金額でいいですよ”と申し上げたら、お客さんは製品定価以上の修理代を払うつもりだったと仰られ、大切に使って頂けていることを大変嬉しく思った最近のトピックでした。
誰かにお金を払うとき、相手の時間を自分のために割いてもらい、自分がもっていないインフラ(環境)を借りて、ノウハウを提供いただけること、これらへの対価だと定義するのが一般的でしょう。オーディオ製品の場合はメーカーさんにもよりますが、パーツがない、あるいはその他の理由で修理できない場合は代金は頂きません(成果物報酬という考え方)の会社さんもあります。
モノづくりに対する責任を無期限に果たすことは不可能ですが、できる間はあらゆる方法をで対処することが、私たち製造者の重要な責任の一つと考えます。