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超音波加湿器と白い粉

今日チェック依頼で入荷したSV-S1616D / Western Electric 300B仕様。
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検査の結果異常なし。お客さんに電話して伺ってみると大手通販サイトで買ったロシア製の5AR4を使ったところ、電源を入れてしばらく経った後にノイズが出てFUSEが切れたというもの。

これは以前にも書いたことがあるかもしれませんが、真空管アンプで最も多いトラブルの一つで、過大な突入電流が原因です。今回は恐らく製造不良ですが、数年使って劣化した整流管でも同じことが起こります。電源を入れてアンプに電流が流れ始めたタイミングで整流管内でスパークが飛ぶようになったら替え時と考えていただくと良いでしょう。

整流管は一本でアンプ全てのB電流を賄う縁の下の力持ちですから、他の真空管よりも短寿命です。現行球は何千円からお求めいただけるので、消耗品と割り切って定期交換するのも一つの方法です。

せっかくお預かりしたので、アンプ内部を確認させて頂いた際に少し心配なことが検出されました。簡単に言うとアンプ内部全体にうっすら白い粉が付着しているのです。

拡大写真を何枚か撮りました。
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300Bのプレート電圧を供給している0.5SQ KV線(赤)が真っ白になっています。
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これは300Bフィラメント直流点火ユニットですが、0.5SQ KV線(緑と橙)も粉を吹いたように変色しています。上の写真は分かりやすい部分の抜粋ですが、極端に言うとアンプの内部全体に霜がおりたような感じになっているのです。

このような状態になっているアンプは年に数回見ます。逐一確認はしていませんが、まず間違いなく超音波加湿器が原因と考えています。

なにも超音波加湿器を悪者視する必要は全くない訳ですが、この白い粉状の付着物は恐らく加湿器に使われている水道水中のカルキ等でしょう。非常に微視的にいえば超音波加湿器から発生したミストがアンプ内部の隅々に付着し、それが乾燥した結果の白い粉であると強く推定されます。内部が濡れて乾燥してまた濡れて…その繰り返しが白い粉と考えると少し怖いですね。

言うまでもなくアンプは電気製品ですから内部が湿潤環境にあることを想定していません。超音波加湿器によってアンプが壊れたという話は伺っていませんが、出来れば加湿器との距離, ミストが出る方向, 角度を調整いただいてアンプに直接降りかかるのを回避するのは一つの智慧ではないかと思いますが、加湿器稼働時は部屋のあらゆるもの、例えば絵画や写真の表面も常時濡れた状態にある(可能性)を想定しておいた方が良いかもしれません。


by audiokaleidoscope | 2024-06-12 23:59 | オーディオ

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