ヴィンテージチューブ悲喜こもごも
2024年 06月 11日

いつものようにチューブチェッカ―でGmを測定した後に、SV-91B初段で五結時, ドライブ段で三結時の動作確認を行ったところ、たいへんお気の毒なことに15本中棄却値以上のGmが出たのは4本のみで、うち一本はマイクロフォニックノイズ過大, もう一本はIp暴走気味でペアとして使えるものはないことが分かりました。NC/NR(クレームなし、返品なし条件)で購入するリスクは分かっていても、お客さんの落胆は小さなものではありませんでした。
実際私どもがB to Bで調達しても一定割合のNG品が混じっていることが前提ですが、不良品を市場に出さないという大きなミッションがありますので、入荷検査だけでなく出荷前点検もかなり時間をかけて行っています。

このBrimar CV4004 + Telefunken EL34の組合せは一般的な多極管PPの”キレ”とか”スピード感”というような表現では括れない粘りや弾力感があり、皆さんが真空管をアップグレードしてより高みを目指したくなる気持ちもよく分かる素晴らしい音。ただし…間違いのないものを手に入れていただきたい、それだけです。

よく言われる”Western Electric 300Bのツィ―ター要らず”は健在で、周波数レスポンス云々よりも位相特性の良さ、シビランス(歯擦音:サシスセソ)の自然さは他の真空管の追従を許しません。これから冬に向かう地でもきっと大活躍してくれることでしょう。