今日はSV-300LB納品の儀…というと少々大袈裟ですが出荷前点検(測定)に立ち会いたいということで依頼主のNさんが作業場にいらっしゃいました。
出荷点検前にたっぷりエージングを行って万全を期すのはいつもと同じです。NさんはSV-2PP ver.2009(845pp)を所有されていて、このSV-300LBはプッシュプルアンプに最高のパートナーの一つです。
プリアンプの比較試聴をされると皆さん”こんなに変わるんですね”と仰いますが、シングルアンプには厚みとスケール感を加える方向性(例えばSV-310とかPre1616DオールU7), プッシュプルには立ち上がりの良さとシャープネスを加える方向性(例えばSV-300LB)が基本的なチューニングとなります。特に直熱三極管PPにSV-300LB(あるいはPre1616DオールX7)は最強の組合せだと感じています。
実機の内部アップ。カップリングはArizonaで万全を期します。ちなみに真空管は初段Mullard CV4024, ドライブ段MAZDA(仏) 12BH7A, 出力管Western Electric 300B, 整流管VALVO GZ34で組み合わせています。
いつNさんがいらっしゃっても良いように早めに出社して信号を流しておいて本番測定に備えます。Nさんがいらっしゃいましたので、それぞれの測定項目の説明をしながら実際の目の前で測定していきます。単に数字を記録していくだけでなく、それぞれの測定値の示す意味をお示しして、単にペーパーをお渡しするよりも更に肚に落ちたのではないかと思います。
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年に一度、健康診断で血液検査を受けますが、いろいろな数値が記録されたペーパーを頂いても再検査とかHとかLとかアラートがない限り「まあ大丈夫なんでしょう」で終わってしまうことが多いかもしれません。でもそれぞれのパラメータには意味があるのです。
これも完成品を手に入れるうえで「満足を買う」理由の一つ。機台それぞれの健康診断は単なる儀式でなく、入社面接時の履歴書のように大切なものです。家のオーディオの一員になるのですから大切なことですね。