輪廻転生

今日も引き続き今月の中古出品予定品の一次チェックに勤しんでおります。入荷してまずやるのは信号が通るかの確認。OKであれば内部をみて、再販までにどの程度の工数が見込まれるかの推定をしがてら粗測定を行い、査定書を作成するという手順になります。前に書いたかもしれませんが3万円の商品も100万円の商品も基本やることは同じです。最終的には拘りというかポリシーみたいなものに衝き動かされているような感覚も結構あります。

今日ご紹介するのは昨日に続き一次チェック通過品。整備が間に合えば今月出品予定です。

ADVANCE HC-1 / CCI 300B仕様(300Bプリメイン, 組立代行品)

kit LS3/5a(密閉2ウェイブックシェルフスピーカー)

Elekit TU-870/ EH 6BM8仕様(6BM8シングル, 組立代行品)

Elekit TU-873LE / 曙光300B仕様(300Bシングル, 組立代行品)

Elekit TU-882AS/ GE5670WA仕様(ヘッドフォンアンプ, 組立代行品)

今日はプロ組立品が大半で一案件当たりのチェック時間は少なめでしたが、それでも色々とやることがあります。気がつけばプロの手の内拝見…みたいな感じになったり。

これから10日くらいかけて本整備と自社中古品の一次チェックと続きます。15日過ぎにはトップページにお品書きが出て、20日頃に価格の発表と続いていきます。その間に今月納品予定の完成品の出荷前点検とエージングを行っていきます。

折からの超円安もあって海外からの引合い、特に欧州からの問合せが増えるなか、今週はミュンヘンでショーがあり、多くの先輩や仲間が現地レポートをSNSで華々しくシェアされています。作業場で独りハンダごてを握っている私とは同じオーディオ屋でもえらく違うもんだな、と思いますが、これがとても自分に合っているような気がしています。

一日に2台仕上げれば2回、3台仕上げれば3回の達成感を味わえるこの仕事。最近はモノづくりだけでなく、あらゆる仕事において見える化(マニュアル化)され、分業化されて自工程完結の歓びが得られ難いと感じるなかで、この仕事は案件ごとに作業深度が異なり、時に右往左往しながらも無事完了した時の爽快感は他に代えがたいものがあります。

大量に生産され、大量に消費され、いつしか大量に廃棄されるモノづくりから、自分たちが世間へ送り出した品物を回収させていただき、手を加えて再資源化する取組みが始まってもうじき4年、正式に事業化されて2年弱です。始めあれば終わりあり、と言いますが、この輪廻転生は市場のニーズさえあれば半永久的に続けられる可能性を秘めています。