GW休業まで今日含めてあと三日。今月中にお届けしたいアンプの出荷検査がまだ沢山残っているので少々焦り気味ではありますが、品質第一で検査を進めていきます。
今日のお仕事、まずはこれ。”わたしたちはここから始まった”という初代SV-2。オリジナルユーザーさんが分かりませんのでカルテの突合ができませんが、恐らく2000年~2002年の個体でしょう。最近C to C市場で落札されたという品物を預かって解体再配線を実施しました。
外観は当時のままですが、内部はオリジナル+αの仕様にバージョンアップしています。当時と今では製品に対する品質基準も変わっています。例えていえば建築における旧耐震と新耐震のようなもので、せっかくお預かりしたからには現在の当社基準に合致するよう各部の見直しを行いました。上の写真の電源部の電解コンデンサーのアクリルカバーなどもその一例です。
これが改修後。大型コンデンサーは総入れ替え。その他電源部や配線も見直して完全リフレッシュが出来ました。35歳当時の自分に再会したようなとても懐かしい気持ちにさせてくれた依頼主さんに感謝です。
そしてこれが現在の姿。
SV-284D / PSVANE WE845仕様です。ふた昔前から一気に現代にワープした感じですが、その基本理念は些かも変わっていません。
最近このパターン多し、という組合せ。
SV-300LB / Western Electric 300B仕様と組み合わせてエージング中です。この2台はそれぞれ別の方にGWに納品予定。電気的には完全に仕上がっていますが、ぎりぎりまで音の熟成をして現場で最高のパフォーマンスで鳴るように仕上げていきます。
これは
JB-320LM II。わたしも好きなスピーカー、
Harbeth HL Compact 7ES-3を鳴らすアンプとしてご指名頂きました。最近
PP(ポリプロピレン)振動板のスピーカーについて書いたばかりですが、Harbethはかなり鳴らし易い方でプッシュプル向きのDynaudioやSpendorとは傾向が異なります。シングルで十分300Bならではの味わいが出るでしょう。
300BはPrime 300B ver.4で依頼主さんが今まで使って下さったアンプから移植したものです。アンプは変わっても真空管は受け継がれるというのはタマアンプならではの文化というか流儀ですね。
これがその内部配線。検査プロセスの一環で2A3でも鳴らしてみたのですが、出力5W弱ではあるものの滋味あふれるとてもい良い音で感動しました。
場所が足らず特設エージングブースで通電中。JB-320LMは
Reference 35で鳴らしています。85dB/w/mいう低能率のポリプロピレンウーハーの2ウェイですが、小音量でも重量感のある音が心地よく響く今日の作業場でした。