聴感は測定を超える ~ 定量評価と官能評価~
2024年 04月 04日
私たちの仕事に測定という行為は欠かせませんが、それ以上に聴感を重視するのは当然のこと。モノづくりの過程においても聴感を重視した結果さまざまな選択がなされます。
例えば今日の作業のなかでも…

これなどは「官能」の最たるもので、測定上で違いは全く出ませんが音の違いは明白。”滑らか”, ”芳醇”, ”リアル”といった数値化できない項目において別次元の効果があることは使った皆さんが体験されてきたことです。

これも効果が測定結果には現れることはありませんし、ギャングエラーも標準品と変わりませんが、音の入り口の純度を高めてより高音質化しようという取り組みの一つです。
オーディオにおける測定は、私たちで言えば健康診断のようなもので欠かせない行為ですが、レントゲン写真や心電図からその人の魅力や個性を推し量ることは出来ないのと同じで、やはり何事も自分の五感を駆使し、自分の感性を信じることが最も重要なのだと思います。

「オーディオの楽器性」という言葉は使い古された言い方ですが、いわゆる「鳴りがよい」とか「音力がある」という感覚的評価がもっと重要視されなければならないと思う今日このごろです。