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〆(締め)の日

”メインスピーカーを替えるのは住み慣れた家を建て替えるのと同じ”、その現場に立ち会うごとに、そう思います。
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特に今回のような大物、なかんずく能率107dB / 18Ωという超高能率, 超ハイインピーダンスという図抜けたパフォーマンスは今まで聴こえていなかった音楽の全てを表出し、今まで気づかなかった全ての瑕(きず)を白日の下に曝(さら)す怖さも秘めているからです。

スピーカーを替えることで、いままで必須だと思っていたものが全く必要なくなったり、全く目を向けてこなかったことに意識を持っていかれて音楽に集中できなかったり…。

Avangardeのチューニングはこれが5年ぶり(2回目)ですが、ポイントは二つのみ。しかしこの二つはあらゆるオーディオシステムの調整の要諦ともいえるものです。

一つは低域の処理。DUO GTには12インチのウーハー2基と1,000Wの低域専用パワーアンプが内蔵されています。このバランス取りが極めて難しい。中高域のホーン帯域とスムースに違和感なく繋がるポイントを見つけるには測定器的感覚で対峙していても埒(らち)が開きません。長い時間をかけ様々な音楽を聴きながら、たった一つしかないスウィートスポットを見つけなければならないのです。
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見難い画像で恐縮ですが、これは低域特性の調整部。スピーカーの背後に埋め込まれています。この画を見ただけでAvangardeというスピーカーが如何に往年のそれと異なっているか、お分かりになるでしょう。

取説どうり, デフォルトのアサインで大丈夫...これはAvangardeには一切あてはまりません。皆さんのなかで”こんな筈じゃ…”と思っておられる方がおられましたら、ぜひ再度低域のバランスを取り直して下さい。

DUO GTの場合、取説に記載されているデフォルトの低域調整値は「-8.5dB」です。どのような要因でこの値が決められたかは知る由もありませんが、日本でのリスニング環境では間違いなくブーミングを起こし(低域が過剰となり)、全く使い物にならないでしょう。試行錯誤の結果、調整値は-14.5dBに落ち着きました。デフォルトと比較して-6dB(-50%)という値です。

そういえば今回設置を行っていて取説に載っていない円形のアタッチメントが二枚入っているのに気づきました。隅から隅まで取説を読み直しても該当する記述は見当たりませんので、輸入元に電話して、このアタッチメントは何のために、どう使うのか、と尋ねると「取説には書いてないですが、低域処理がうまくいかない場合に低域の吐き出し口(エンクロージャー下部から下向きに吐き出される機構設計)を塞ぐためのものです」という説明を受け、さもありなんと思いました。パワードウーハーの調整はそれだけ難しいのです。

そしてもう一つはシステム全体のノイズ管理です。冒頭に書いたように107dBという超高能率は、例えて言えば遠くから眺めていた美女を毛穴まで見える距離にまで近づく嬉しさと苦しさの両面を併せ呑むことをユーザーに要求します。今まで全く聴こえてこなかったノイズがAvangardeによって何倍も増幅される懸念があるからです。
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そのため用意されたのがこれ。仮想アースを一歩進めた「アクティブアース」と呼ばれるものです。詳細は現行商品ページを参照して下さい。聴感上のSN向上効果は極めて大きなものです。今回TELOSはAvangarde用のみとして増幅系アースは別にCrystal Epシリーズを各機種に使っていきます。

この後は更に耳でチューニング。C-FT1000(FMチューナー)で人の声。そしてCD(TL3 3.0+ SV-192PRO II)とアナログ(Technics SP-10R+ SAEC WE-4700, LUXMAN PD-191Aで様々な音楽を聴き、フルレンジユニットのような自然さを求めて追い込んでいきます。
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アナログフロントエンド
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パワーアンプはSV-284D / ELROG 845 バランスドシングル × 2

…これで今日はひとまず終了。一ヶ月くらい経ったところでエージング効果を見極め再調整を行っていきます。おりしも今日は今期の最終稼働日。来週から新たな会社の一年が始まっていきます。その締め日に相応しい一日になった今日でした。

今回Avangarde導入を決めたSさんとのお付き合いは約3年になると思います。これまで二人三脚で行きつ戻りつの日々を過ごしてきましたが、これで一旦完結。時にはSOSをいただいて夜中に車を飛ばしたことも良き思い出です。

外は五分咲きの桜。サクラ咲く春本番もすぐそこです。
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一年間どうもお疲れさま!来期もみんなで頑張りましょう!

by audiokaleidoscope | 2024-03-29 23:59 | オーディオ

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