Stop & Return (立ち止まって戻る)
2024年 03月 23日

これが修理案件の場合は、ユーザーさんの”作った痕跡”、いいまえれば”魂”みたいなものまで取り去ってしまわないため、修復可能部分はなるべく残して再生するのですが、実機の程度やお客さんのニーズにより今回のような”ゼロ払い”の方が結果的に速く、安く、信頼性高く製品を復旧することが出来ます。
心を鬼にして勇気をもって立ち止まり、スタート位置に戻ることが結果的に良い結果に繋がる…先人に敬意を示す意味で整流ダイオードだけ元の状態を遺すことにしました。


前回調整時に4本のプレート電流がしっかり合うように調整したのですが、どうしてもその後のドリフト(特性変移)によってバランスが崩れがち。4本のEL34のうち1本のIpが下がっており、初段12AX7のGmが下がっていてキレのない丸まった音になっていましたので、少々勿体ない感じもしますが全てのタマをリフレッシュします。結果クリーントーンのアタックがバッチリ決まるようになって、芯のあるクランチトーンが復活して良かったです。
明日は修理案件, アップグレード案件など作業集中日。手を動かせば動かすほど自分の経験やスキルも上がる職人シゴトですので、パズルを解くような気持で一つ一つの案件と向かい合っていきます。