GZ37 / CV378はSV-91Bで使えるか?
2024年 03月 22日



まず押さえておかねばならないのは274Bは直熱整流管, GZ37は傍熱整流管で、構造自体が異なることを理解する必要があります。フィラメントからダイレクトに電子が飛ぶ直熱方式と異なり、ヒーターがカソードを熱し、熱せられたカソードから電子が飛ぶのが傍熱方式(Indirect Heating)。したがって傍熱整流管の場合カソード側(多くの場合8番ピン)から+Bを取り出す必要がある訳ですが、SV-91BやSV-310のようにヒーターの中点(センタータップ)から+Bを取り出している場合は、条件さえ揃えば傍熱整流管も使える場合があります。なお一般に傍熱整流管の方が出力電圧が数十V高いことを知っておく必要があります。

次に注目いただきたいのが今回の質問のGZ37 / CV378です。この表には書いてありませんがGZ37はヒーター電流が2.8Aと大きく274Bの2Aの1.4倍も流れることに注意が必要です。91Bの整流管ヒーター巻線は5V / 3Aですので問題ありませんが、274B専用設計されているアンプでは140%の過負荷となります。
こうして見るとGZ37が300Bの最大定格(Maximum Ratings)に対して大きく問題となる部分はなさそうです。いちばん右の欄の「ディレーティング」は最大プレート損失に対する実稼働がもつ余裕度のことでSV-91Bではかなり余裕をみて設計されていることが分かります。
GZ37はこれまでSV-91Bで認証しておりませんでしたが使用OKとしても良いでしょう。但し今日の実験時の一次側(AC)電圧が少し低めで、現在の国内平均電圧から3~5%程度低いので実際はもう少し稼働率が上がりますが、基本的にOKとして問題ありません。
では実際に音を聴いてみましょう。もっともワクワクする瞬間です。

SV-91Bでジャズをバリバリと鳴らしたい!という方にはピッタリかもしれませんね。何でも調べてみるものだと改めて感じた今日でした。