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GZ37 / CV378はSV-91Bで使えるか?

今日は整流管のお話です。
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最近入荷したヴィンテージ整流管たち。STC 4274B, Mullard GZ37 / CV378, Mullard GZ34 / 5AR4, RCA 5U4GB…。いずれも銘球の誉れ高い整流管ですが、出力管以上に差換えに関してルールが細かいのも整流管です。
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この表は以前のブログに掲示したものですが、整流管差換えの難しさの一端を示しています。ヒーター定格, コンデンサーインプット容量等の適合性だけでなく、差し換えによってアンプ内部の電圧が変化し、場合によっては出力管のプレート損失をオーバーして消耗を早めたり、平滑回路の電解コンデンサーの耐圧をオーバーしてアンプが壊れたりする場合もありますので、安易な差し換えには十分注意が必要です。ネット等における誤情報にも十分気を付けなければなりません。整流管の互換性は実際に使うアンプによって全く答えが変わってくるからです。

最近こんな質問がありました。「ネットでGZ37と274Bが差し換えられると書いてあったけどSV-91Bで使えますか?」…皆さんはどう答えるでしょうか?良い機会ですので上の写真のMullard CV378 / GZ37で実際に検討, 検証してみましょう。
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左から標準のPSVANE WE274B, Mullard GZ37 / CV378, Mullard GZ34 / 5AR4を並べてみました。実はいちばん小さいGZ34が最もハイレギュレーション(高効率)です。

まず押さえておかねばならないのは274Bは直熱整流管, GZ37は傍熱整流管で、構造自体が異なることを理解する必要があります。フィラメントからダイレクトに電子が飛ぶ直熱方式と異なり、ヒーターがカソードを熱し、熱せられたカソードから電子が飛ぶのが傍熱方式(Indirect Heating)。したがって傍熱整流管の場合カソード側(多くの場合8番ピン)から+Bを取り出す必要がある訳ですが、SV-91BやSV-310のようにヒーターの中点(センタータップ)から+Bを取り出している場合は、条件さえ揃えば傍熱整流管も使える場合があります。なお一般に傍熱整流管の方が出力電圧が数十V高いことを知っておく必要があります。

では各種整流管を実際にSV-91Bに実装して測定してみたのが下の表です。
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青色に塗ったのが直熱, 緑に塗ったのが傍熱ですが、例えばPSVANE WE274BとMullard GZ34では整流直後の電圧が70V以上も異なっていることに驚かれたかもしれません。

次に注目いただきたいのが今回の質問のGZ37 / CV378です。この表には書いてありませんがGZ37はヒーター電流が2.8Aと大きく274Bの2Aの1.4倍も流れることに注意が必要です。91Bの整流管ヒーター巻線は5V / 3Aですので問題ありませんが、274B専用設計されているアンプでは140%の過負荷となります。

こうして見るとGZ37が300Bの最大定格(Maximum Ratings)に対して大きく問題となる部分はなさそうです。いちばん右の欄の「ディレーティング」は最大プレート損失に対する実稼働がもつ余裕度のことでSV-91Bではかなり余裕をみて設計されていることが分かります。

GZ37はこれまでSV-91Bで認証しておりませんでしたが使用OKとしても良いでしょう。但し今日の実験時の一次側(AC)電圧が少し低めで、現在の国内平均電圧から3~5%程度低いので実際はもう少し稼働率が上がりますが、基本的にOKとして問題ありません。

では実際に音を聴いてみましょう。もっともワクワクする瞬間です。
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せっかくの機会ですのでSV-310 IIIもGZ37にして試聴してみます。音量を揃えても音力が違うというか、力強さとスケール感がひと回りアップします。因みにGZ37使用時の最大出力は11W以上(8Ω負荷)出ています。逆にいえばPSVANE WE274Bの繊細さ, ニュアンスの豊かさも再認識する結果となりました。

SV-91Bでジャズをバリバリと鳴らしたい!という方にはピッタリかもしれませんね。何でも調べてみるものだと改めて感じた今日でした。



by audiokaleidoscope | 2024-03-22 23:59 | オーディオ

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