今日も次々と様々な案件が入ってきます。

写真はJB-320LMII。組立代行品を測定しエージングを経て法定試験を行い出荷というプロセスです。通常は真空管つきで出荷する訳ですが、近年は真空管のストックを潤沢に保有されている方も多くなってきましたので、真空管なしでの組立代行も機種によってオーダー頂けるようにしています。
今回は整流管だけ要るけど後は他のタマは不要というパターン。5U4Gは新品を用意しますが、その他は当社標準球で測定データの取得を行います。

内部写真です。新品でも必ずセレクター,ヴォリューム系はアルコールスプレーを噴霧して接点をクリーンにしておきます。その他ダブルチェックの意味も含め全ハンダ箇所の再点検, ネジ類の再締結, ネジロック剤をかけて万全を期します。

これが実機の測定データ。今回は整流管以外は当社標準球という変則例でしたが、提供側の本音でいえば真空管も含めて保証付きで出荷したいところ。真空管によっては左右ゲインが1dB以上の差が生じたり、耳では判別できない歪率のチャンネル差が出たり、 残留ノイズのバラツキが出て使えないパターンもあります。フォノEQ(SV-EQ1616D等)でタマなしの組立代行をお受けしていないのも、総合特性を担保する重要性を鑑みての判断です。
もし皆さんが組立代行品を手持ちの真空管で仕上げて欲しい…という場合はご注文前に電話等でご相談下さい。状況次第ですが、所有されている真空管をお預かりして組立代行できるパターンもある筈です(抵抗, コンデンサー等の回路部品の支給組立は行っておりません)。
結果的に使えない真空管がある場合は此方から報告出来ますし、例えばSV-91Bのように310Aを4本も使っているアンプの場合は、仮に手持ちがあったとしても、どの球をどう挿したら良いのかも分からないと思いますので、私どもでベストと思われる位置関係も含めて測定結果を添えてお返しすることができます。
量産メーカーさんでは出来ないことも、私どものような一台づつの手作り工房的モノづくりでは融通をきかせられるケースもありますので、まずはお気軽にご要望をお聞かせ頂ければと思います。