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ポイントは力感 ”REF10 NANO”

「デジタル音源再生の行きつく先に真空管あり」…ハイレゾが一気に盛り上がった2010年代前半によく言われたことです。

デジタル音源をデジカメの画素数に例えた時、大画素の画像ほど色のグラデーションが滑らかでアナログ的(銀塩的)な質感に近づくのと同じで、デジタル音源においても横軸:サンプリングレート(周波数帯域)と縦軸:ビットレゾリューション(ダイナミックレンジ)の縦横の積(=bps)が大きくなるほどアナログ的しなやかさが支配的となり、真空管アンプが有する豊かな倍音との親和性が高まるというのが当時の市場の評価でした。

当時さかんに行われていた勉強会の一部が記録されていますので再掲しておきます。

つまり単にbpsを上げるだけでは不完全で、解像度のあがった音源を真空管の倍音で一層リアルに且つアナログ的質感を加えることの重要性は多くのSV-192S / PROユーザーの皆さんが体験されてきた通りです。

同時に私どもが訴えてきたのは「クロック」の重要性でした。簡単にいえば複数のデジタル機器(たとえばCDトランスポート + DAコンバーター)を併用した時、それぞれの機器に内蔵されている水晶発振子の僅かな誤差によって「ジッター」と呼ばれる時間軸の歪が発生します。例えて言えば皆さんの腕時計と皆さんの腕時計いずれも単体では何ら問題なく機能していても、リファレンスクロック(明石標準時といえば分かりやすいでしょうか)と対比した時に少なからず誤差をもっていて、仮にその二つの時計を併用した場合、その重層的誤差は一層大きなものになります。

汎用のデジタルオーディオ機器のクロック誤差は数10ppm(1ppm:百万分の一)レベルですが、例えば皆さんのCDトランスポートとDACがそれぞれ50ppmの揺らぎを持っていた場合、その2台をそれぞれ使った場合のトータルのジッターによる音質への悪影響は無視できないほど大きなものとなる訳です。

そのジッターを根本的に対策する方法として内蔵の水晶発振子を使わず、一台の高品位なクロックを複数のデジタル機器に供給して「同期」させてしまおうというのが”マスタークロック”の使用でした。これにより実質的(相対的)ジッターをゼロとすることが出来ます。

2010年頃まではマスタークロックは民生機にはほぼなく、レコーディングスタジオ等、制作の現場でのみ使用されることが多かった訳ですが、2008年にSV-192Sを開発した際、クロック同期の重要性を認識していた私たちは外部クロック入力を設け、当時MUTEC MC-3をオプション設定したことを覚えておられる方もいらっしゃるでしょう。その後、MC-3+, MC-3+USBと進化しジッターとともに位相ノイズも激減し家庭におけるデジタル再生は短期間に一気にレベルアップしました。

その頃から一部のマニアの皆さんが声を上げ始めたのが「10MHzクロック」(略して10メガ)の有用性です。これについては説明の冗長化を回避するため過去のポストを引用しておきます。

このMUTEC REF10は特に”静けさ”、言い換えれば聴感上のSN比の向上にたいへん大きな効果があり、いわゆるアトミッククロック(ルビジウム, セシウム等)利用者が一時期REF10に乗り換える現象が発生し話題となりました。一方で10メガは高価で、なかなか手が出ないという声も多く聞かれた訳ですが、昨年暮れにMUTECから新発売となった「REF10 NANO」について約3ヶ月の試用期間を経て、自信をもってお奨めできるクオリティであることが分かりましたので、私どもでも販売を開始することとしました。

REF10 NANO

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この写真はCEC TL3 3.0 + SV-192PROにMC-3+USBからクロック同期を掛けている状態ですがMC-3をREF10 NANOで更に高品位化している状態です。皆さんがお使いのデジタル機器に10MHz入力が装備されていれば、もちろん直接接続できます。
ポイントは力感 ”REF10 NANO”_b0350085_21290647.jpg
これがNANOの心臓部。REF10に対して約40%のコストダウンは主に電源部(REF10はリニア電源, NANOはスイッチング電源)の仕様変更によるもので、心臓部に関しては大きくは変わっていないと申し上げて良いでしょう。

今回私どもがNANOを扱う最大の理由は価格ではありません。ずばりその「音の良さ」がその要因です。クロックと音質を直接紐づけるような書き方には注意が必要なのは重々分かっていますが、上に書いた通りRFF10が”SNに効く”のに対してNANOは”力感が増す”のが最大の効果です。

これまで数えきれないほどの試聴を繰り返し、様々なパターンで検証し、試聴のお客さんにもご意見を伺った結果、NANOはMC-3+USBと併用した際、凛としたフォーカスの明確さに加え音像的な力強さが上がることが確認できています。雑誌や評論家の先生のNANOのレビューでは透明度と解像度に効果ありと書かれていますが、個人的にはそれ以上の価値があると考えています。

詳細は輸入元のインフォメーションをご一読下さい。

高価ではありますが、デジタル再生における「最後の一撃」となることは間違いありません。



by audiokaleidoscope | 2024-03-15 23:59 | オーディオ

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