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Western Electric 300B 再入荷

先日のポストでお知らせしたWestern Electric 300B入荷遅延の件、皆さんにはたいへんご心配をお掛けしました。

実は10月に入って間もなく当社予約分の製造が完了した旨の連絡がWE社から入り、先月半ばには入荷していたのですが、最も重要な品質確認が完了するまでは正式なお知らせを控えておりました。本日ようやく全数の品質確認が完了しました。
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直流的検査(Ep-Ip特性), 交流的検査(ノイズ検査)の結果、不良判定ゼロ。Ip(プレート電流)ならびにGm(相互コンダクタンス)の散布状況も以前と変化はなく、ひとまず安心しました。いわゆる”2006年の悪夢(15年間の空白)”の再来にならずに正直たいへん安堵しているところです。
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静特性確認のあとはアンプ実装検査。こういう場合は固定バイアスアンプが便利です。グリッドバイアスを固定した状態で各個体のプレート電流を記録すれば実動作条件における再選別も同時に完了します。
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そういえば、Western Electric 300Bに関して皆さんから時々頂戴する質問について。本体ベースのデートコードとシリアルナンバーの関係性について少し解説しておきましょう。

上の写真は今回入荷したFMP(=Factory Matched Pair)の一つです。写真を拡大いただくと分かりますがシリアルナンバーは309457と309476と極めて近く、検査日も今年の10/5と10/6で同時期の出荷製品であることが分かります。

対してベース部のDate Code(バッチナンバー)は下三桁457が2239(2022年第三四半期)で476が2226(2022年第二四半期)となっており、事情が分からないと「どうしてバッチナンバー(製造時期)が異なる個体のシリアルが近いのだろう?それに1年以上前に作られた個体が今出てくるのも不思議だな」という疑問に繋がるかもしれません。

これについては製造後ストックされた製品郡の中から特性の近似した個体同士をペアとして抽出した後、シリアルナンバーを刻印しデータシートを印字する工程となっていることから起こるもので、製造時期よりも特性を重視してペア選別を行うWE社の品質重視の姿勢と理解することが必要です。

なお入荷品の取扱いですが、私どもが本国から直接調達しているWestern Electric 300Bは単売用でなく当社製品搭載用のもので、11/8から搭載製品の受注を再開いたします。単売用商品に関しては現在、総販売元からの入荷待ちとなっております。また単売用Western Electric 300Bは2024年1月1日付で価格改定が決定しております。

ウェスタン エレクトリック製 300B の価格改定のお知らせ (株式会社トライオード)

Western Electric 300B搭載の当社製品に関しましても然るべきタイミングで価格変更を予定しております。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

本件に関するお問い合わせはこちら


by audiokaleidoscope | 2023-11-07 22:37 | オーディオ

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