DENON DP-3000NE

業界内で「相当良いらしい」と漏れ聞いていたDENON DP-3000NEの音を聴かせていただく機会に恵まれました。

昨今のアナログブーム再燃によって廉価帯ではサウンドバーガーが大ヒットしたり、数百万のプライスタグがつく新製品や百万円を超えるカートリッジが幾つも市場に投入されるなか、”頑張れば手に入れられる”価格帯で基本性能に優れた製品となると決して多くありません。この”価格の中抜け”はアナログ関連に限った話ではありませんが。

「DP-3000NE」 当社販売ページ

デモ機を持ち込んで下さったメーカー担当さんによれば、出荷前にして早くも初回ロットは完売というから驚きです。1972年に当時「デンオン」ブランドを市場に周知せしめた”DP-3000”の品番リバイバルからもDENONさんの本気度が分かろうというものです。私どものショールームに常設デモ機が来るのも少し先のことになるかもしれませんが、ぜひ一度聴いて頂きたい音です。

何枚かLPを聴かせていただいたのですが、写真のスタティックバランス/ユニバーサルアームの操作感の良さが非常に印象的でした。この価格帯でしっとりした挙動とバンピーな感じが微塵もない安定したトレース能力は出色の出来です。そして非常にダンピング(制動)の効いたブラシレスDCモーターと大質量プラッターのマッチングも信頼性抜群でした。

個人的には元々DDよりもベルトドライブが好きで、再生時の聴感上のSNの良さと優れた音場再生にプライオリティを置いてきたのですが、しっかり創られたDDの音の根の生えたような安定感も素晴らしいなと認識を改めた次第です。

話は変わって今日の最後は先日の特選中古で大争奪戦が繰り広げられたLM91Aが無事収まった状況の写真です。300Bアンプ + 845ブースターの音の良さについてはこれまで何度も書いてきましたが、youtubeの番組アーカイブなどの効果もあってこの1~2年でかなりインストール例も増えてきました。
真空管アンプ一本勝負の「どこまで音が良くなるか？」シリーズも残すところ2回。あとは「SV-91B松竹梅」と「SV-91B+284D」の収録を残すのみです。そして2014年10月から始まった私のMUSIC BIRD番組もあと5ヶ月となりました。返す返すも残念ですが、最後まで自分なりのベストを尽くして参ります。

思えば番組でいろいろな音を聴いていただきましたが、「増幅系のダイナミックレンジ伸長はローレベルに効く」を一番音で体現したのがこの91A/B ＋284Dの組合せでした。その意味では番組発のヒット商品といえるのかもしれません。