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カートリッジ銘器探訪 ”オーディオテクニカ” 松竹梅一本勝負

9月の真空管アンプ一本勝負は”お楽しみ月間”。高級カートリッジの音を聴かせていただいて耳の保養を…というテーマな訳ですが、9/15(金)オンエア回はグローバルに躍進するカートリッジメーカー”オーディオテクニカ”が登場します。
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オーディオテクニカ マーケティング本部 平田努さん(中央)

1962年に3名で創業。80年代にはカートリッジ出荷量世界一という急成長を遂げ、いまやオーディオテクニカといえば知らぬ者なしというほどのビッグメーカーでありながら、最近はオーディオビギナー向けの「サウンドバーガー」で業界を席捲するなど、非常に多方面で躍進されるテクニカさん。

現在もカートリッジはほぼ国内製造という徹底した品質管理と素晴らしいサービスマインド(番組内で素敵なエピソードを紹介させていただいています)で多くのファンを獲得しているテクニカさんの代表的カートリッジ3グレード4機種を平田さんご自身に選んでいただきました。
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(梅) VM540ML 33,000円(税別) 型式 VM型

オーディオテクニカ=フラットレスポンスで闊達な音というイメージをお持ちの方も多いのではないかと思いますが、そのエッセンスがテクニカさん独自の”VM”方式に凝縮されていると申し上げて良いでしょう。カートリッジ内部のマグネットがV字状になっており、レコードをカッティングするカッターヘッドと相似形になっていることからVMと呼ばれています(電気的にはMMと同一)。

このVM540MLはこの価格帯では稀ともいえるマイクロリニア針を採用しており、音溝に対する追従性の高さと所謂MM的な既成概念を遥かに超える豊かな情報量が魅力です。
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(竹) AT-ART9XA / AT-ART9XI 180,000円(税別)

つづいて聴かせていただくのがARTシリーズの中核をなすART9の姉妹モデルXAとXI。XAは空芯型でシバタ針。XIは鉄芯型で特殊ラインコンタクト針。優劣でなく好みで選んでいただきたいというのが平田さんの弁。色付けのない鏡のような表現力、澄んだ高域の質感が素晴らしいXA。対してXIは押出し感のあるパワフルな音に仕上がっています。出力電圧もXIの方が高めです。

XIは特殊ラインコンタクト針で高域の伸びを加えた音作りになっていて音場型のXAとは対照的です。敢えて言うとクラシック系の方はXA, ジャズ/ロック系の方はXIがお奨めということになるでしょうか。
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(松) AT-ART20 360,000円(税別)

つづいてフラッグシップ(松)の登場です。価格的にはこれよりも上がある訳ですが実質的トップモデルであるART20の音を聴いていきます。

製品イメージとしてはART9XAとXIの美味しいところを一つに凝縮させた感覚とでも申しましょうか。構造的には鉄芯型ですが、サウンドチューニングはXAのエッセンスを投入したモデルで、ハウジングはチタン、アンダーカバーは制振性の素材を投入し共振を抑える方向性のチューニングをしているところが前回のアナログリラックスと逆の発想で極めて興味深いところです。

今回の試聴リファレンス盤は必ずしも盤質が良くはなかったのですが、スタイラスが特殊ラインコンタクトでまさに吸い付くようなトレーサビリティを発揮し、サーフェスノイズも極少という試聴結果に終わりました。さすが世界最大のカートリッジメーカーの威信をかけた高級モデルだけのことはあります。

前回同様このクラスになると特性を超えた部分での官能性, 音楽性の高さという部分での評価にならざるを得ないアナログ再生の奥深さを感じたひと時であった訳ですが、いままでオーディオテクニカ=廉価帯に良品の多い質実剛健なメーカー、というイメージだったのが今回の竹(ART9)や松(ART20)を聴かせて頂いて自分のなかのテクニカさんのイメージがすっかり変わりました。

テクニカさんのコーポレートステートメントでる”Always Listening”は音楽を聴くというだけでなく、常に顧客の声に耳を傾けるというダブルミーニングであると番組の最後にお話しして下さった平田さん。ユーザーの信頼に応えるということの重要性を理解しているからこその品質と音質そして価格の三位一体を極めて高いレベルで融合させている素晴らしいメーカーであることを音と共に確認する一時間です。ぜひお聴きください。



by audiokaleidoscope | 2023-09-14 23:59 | オーディオ

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