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スピーカーネットワークの測定とフォノEQ松竹梅比較試聴

ときには増幅系(アンプ)ばかりでなく変換系(スピーカー等)のチェックもします。
スピーカーの検品は大きめの音で鳴らしてみて変じゃなかったらOK的なケースも散見されますが、最近の製品ならまだしも所謂ヴィンテージ系スピーカーは測定してみると、あっと驚く為五郎的なことが少なくありません。

今回お預かりしたのはJBL D130(15インチユニット)とN2400(ネットワーク)。製造後40年〜半世紀近く経過しているものだけに外観やチョイ聴きで品質を判断することは危険です。まずはN2400から。
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ネットワークはバンドパスフィルターですので、10Hz〜100kHzの正弦波をジェネレーターからアンプの入力に送り込み、アンプの出力を被検体(N2400)に接続します。そしてHF(ハイパス) / LF(ローパス)それぞれの出力をダミーロードに接続し、入力周波数ごとのレスポンス変化をグラフにプロット。そのうえでアンプ単独の周波数特性の逆数をとって補正すればネットワーク単独の健康状態を容易に把握することが出来ます。

ネットワークの遮断特性に大きな問題がなければN2400の出力に実際にD130をつないで音を出してみます。音楽を聴いている分には問題なくてもサイン波を入れて音量を上げていくと低い周波数でビビリが生じたり、永い間鳴らされていないユニットではエッジが硬化して低域レスポンスが著しく劣化している場合もあります。
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今回の個体は幸いネットワーク, ユニットともオリジナル状態。音だけ聴いている分には検出できない問題点が特定できたので、純正パーツで補修すれば新品同様の音色を回復してくれることでしょう。

ところで8/4(金)のMUSIC BIRD”真空管アンプ一本勝負”は「フォノEQをグレードアップ”SV-EQ1616D, SV-396EQ, SV-310EQで比較試聴」をお送りします。

フォノEQはあらゆるオーディオ機器の中で最もゲインの高いコンポーネントです。MMで40dB(100倍), MCで60dB(1000倍)もの利得を有する訳ですので回路設計やパーツ, 使用する真空管で当然のことながら音が大きく変化します。今日は海外でも大ヒットのSV-EQ1616D, 当社スタンダードSV-396EQ, そしてフラッグシップSV-310EQの三台をスタジオに持ち込みました。

開発者としては全てに思い入れと愛着があり、どれが一番かわいいと決めることは決してできませんが、今回はリスナーの皆さんがどれが一番好きという気持ちで向かい合って頂ければ幸いです。
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SV-EQ1616D / 松 (Gold Lion ECC83 × 2, Gold Lion ECC82 × 1, PSVANE WE274B × 1, ASC X335 2.2uF × 2)

※EQカーブ可変型フォノEQとして大ヒット
※闊達で活き活きとしたアナログサウンドを楽しみたい方へ
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SV-396EQ / 松 (Mullard ECC83 / Holland × 1, GE 5670W × 2, 橋本電気 HM-3搭載)

※シンプルであるが基本性能を高めることに注力した主力モデル
※色付けなくカートリッジの個性を余すことなく引き出すポテンシャルの高さ
※Mullard ECC83搭載
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SV-310EQ / 松(PSVANE WE310A × 2, TESLA E88CC × 2, PSVANE WE274B × 1, 橋本電気 特注トランス搭載)

※当社製品で最も音に拘って開発した機種の一つ
※密度感, 倍音感, 温度感すべてにおいて最高グレードのフォノEQ
※収録では参考出品として8月度特選中古品出品予定のWestern Electric 310A, Telefunken E88CC, Western Electric 422A仕様で試聴




by audiokaleidoscope | 2023-08-03 01:08 | オーディオ

SUNVALLEY audio公式ブログです。新製品情報,イベント情報などの新着情報のほか、真空管オーディオ愛好家の皆様に向けた耳寄り情報を発信して参ります。


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