先週末は二日間ずっとUSED品の査定作業。販売時期も違えば状態も異なるものを一台一台確認するのはとても大変なことですが、久しく会っていなかった旧友と再会するような歓びに溢れる毎日です。
そういえば昨日スピーカーの品質確認をしていて歴代の米松シリーズが偶然一緒になる機会がありました。

上段は「WE指定8インチ標準箱」(ALTEC 622B Utility Cabinet準拠) + LM755A, 下段中央は「米松mini」+ ALTEC CF204-8A, 下段両端は「Type 618C」(ALTEC 618C Utility Cabinet準拠) + LM755A。この三兄弟が一堂に会する機会はめったにないことなので、チェックを兼ねヴィンテージな味わいの音に浸ることが出来ました。
アンプは今月も大物揃い。これはSV-P1616D/300B仕様ですが、入荷時点で電気特性に問題なかったものの、再販にあたりパーツレイアウトや引き回しを修正して少しでも良い状態に…思っていたら、結局ほぼリビルド(再製作)状態に。作業も含めると一台の再生に何日も掛けているということになってしまいました。

創業から24年あまり。通常企業は効率化あるいは標準化を目指して変化していく訳ですが、気がつけば私どもはむしろ逆の方向に向かっているのかもしれません。
2015年のオール手配線の1616シリーズの立上げ、そして2019年頃から自然発生的に始まったUSED品の再生事業によって”モノづくりの原点回帰”と同時に”大量生産,大量消費から製品を次の世代へ引き継ぐこと”へ舵を切った私たち。今ほど愚直に製品一台一台に向き合ったことは過去なかったかもしれません。
或る著名な建築家が言った”「沸騰する都市」から「発酵するムラ」へ”を地で行くようないま。とても大変ですが充実した毎日を送らさせて頂いていると感じています。