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夢のオール845マルチ

調べてみたらちょうど一年前。4344を所有する全ての人が一度はやってみたいと思う本格的なアクティブバイアンプ(=マルチ)。Nさんもそんなひとり…その夢が実現した日でした。

オーディオの業の深さは皆さんご存じの通り。一旦ベースが上がると更なる高みを目指したくなるのもオーディオファイルの常です。きっかけは先月下旬、特選中古品の出品内容をご覧になったNさんから「高域側をSV-2(2007)に替えてオール845のバイアンプにしたらどうなるだろうか」的なご相談がありました。

マルチはアンプの組合せはもちろんバランスや位相のチューニングもすべてユーザーに委ねられる奥深い趣味。だからこそ多くの方が憧れる境地でもある訳です。さまざまな事前のやりとりや確認の結果インストールが完了したのは
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極上品のSV-2(2007)。真空管はRCA 6SN7/ECC32, Western Electric 300B(2006), CETRON 845中期(double oblique仕様)という贅沢な組合せです。出力28W+28W, 周波数特性10H以下~57kHz(-3dB/1W)に加え重量40kgオーバーいう巨艦ですから単独ドライブでも十分すぎるパフォーマンスな訳ですが、低域側のSV-2PP(2009)も同じ845ということもあって実に繋がりよく巨大なフルレンジのような一体感と自然さのあるチューニングが出来ました。

近いうちにMUSIC BIRDでもオンエアを予定していますが、いま真空管アンプユーザーのあいだで「現行アンプをこだわりの真空管で鳴らす」という大きなトレンドが定着しつつあります。

2000年代に入って間もなく一台のアンプで複数の出力管を交換して楽しむ、いわゆる「タマころがし」ブームなるものが発生しました。いわゆるコンパチです。私たち開発サイドにも”一台で二度(以上)おいしい”設計が求められるようになったのもこの頃です。そして現在は自分のお気に入りの真空管のグレードを上げることで更なるワンダーランドへ…という流れに変わりつつあります。Nさんも事例もまさにその典型といえるでしょう。

もともとの現行球バージョンから比較すると3倍以上の価格になってしまいましたが、やはり拘って決めた一台限りのカスタム仕様の歓びはプライスレス。季節は真夏ですが日々Nさんのリスニングルームは845以上にホットな音楽を聴かせてくれることでしょう。



by audiokaleidoscope | 2022-08-07 21:33 | オーディオ

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