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もういちどバイアス調整について考える

三日間の出張をぶじ終え帰宅。体を休めて明日に備えたいところですが、収録で聴いたKT170の印象が良かったので家でも聴いてみることにしました。
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スピーカーはAutograph(タンノイ)とC37(JBL)。いずれも1960年代後半の個体でアンプは気分によってSV-91B(300Bシングル), LM86B(300Bpp), MC30(7027/6L6GCpp), SV-8800SE(KT150pp)を中心に聴いている訳ですが、8800SEをKT170に替えると上も下も伸びてヴォーカルのリップノイズが更に生々しくに聴こえる印象。ウッドベースの沈み込みも一層リアルでです。

ところでSV-8800SEのような固定バイアスアンプでは環境(=置き場所)が変わったら念のため再調整を行っておくとよいでしょう。昨日のスタジオの状態のまま家で電源オンから3分毎のバイアス電圧の変化を記録してみたのが下のグラフです。
もういちどバイアス調整について考える_b0350085_23284070.jpg
このグラフを見て気づいて頂きたいのは2つです。一つは電源オンからバイアスが安定するまでに12~15分かかっているということ。本ではバイアス電圧を一番絞った状態で30分程度放置してから調整を行いましょうと書いた気がしますが、タマによって電流的に飽和する時間はまちまちですから電源オン直後に調整するという事は、時間が経つとオーバーロードの危険ありという事を肝に銘じましょう。

もう一点、取得された電圧値についてです。SV-8800SEをお持ちの方はご存じですが調整電圧は1.0Vです。もちろん収録時は完璧に調整した状態で臨みました。それが一日経って約30%もずれているのは何故でしょうか。

答えは上のグラフタイトルの括弧内にあります。たまたま帰宅して一気に部屋の暖房を全開にし、合計1000W以上の機器を稼働されたこともあるでしょうが本来100Vであるべき一次側電圧が95.7Vまで下がっています。特に真空管アンプは電源トランスの巻線比によって数Vのヒーター電圧から数100Vのプレート電圧をつくっていますので一次側電圧が変動すれば、その差分×巻線比分のが変動が現れることに注意が必要です。

わずか4V強の差と言ってしまえばそれまでですがSV-8800SEにおけるバイアス調整がかなりクリティカルであることが本データを見ても明らかです。少々やっかいなのが一次側電圧は季節や時間帯によっても変動することですが、現在は大体102V~102.5V程度が一般的。地域によっては105Vを超えるところもあります。

繰り返しになりますが、①しっかりアイドリングしてから本調整にはいること、②場所が変われば必ず再調整すること、③基本的には如何なる条件においてもメーカー推奨値を超えないように調整することを心がけましょう。最悪の場合、電源トランスの温度ヒューズが切れる可能性もあります。

バイアス調整は出力管のプレート電流を司り音質に直接影響を及ぼします。過度にナーバスになる必要はありませんが、2~3ケ月に一回程度は再確認すると良いと思います。





by audiokaleidoscope | 2021-12-18 23:59 | オーディオ

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