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KT170とVディスク一本勝負

以前の賑わいに戻りつつある都内。今年最後の収録がぶじ終わりました。
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表参道はすっかりクリスマスの装い。年内の業務はまだまだ続きますが、少しだけ華やいだ気分のなか今日の収録についてレポートしていきます。一本目はTung Sol KT170一本勝負(12/24オンエア, 翌週リピート)。
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昨日の続きで”こんな感じで録ってます”説明ですが、スタジオの机上でスピーカーを除いた試聴システムを構築します。通常と異なるのはスピーカーの代わりに8Ωのダミーロード(疑似負荷)をパワーアンプに接続すること。ダミーロードというと難解な感じがしますが、要はスピーカーターミナルのHOT/COLD間に大容量の無誘導巻ホーロー抵抗8Ω接続するだけです。

そしてその両端に現れる出力信号をミキサーに入力し、ダイレクトに録音することでリスナーの皆さんの家庭のシステムで疑似的に真空管(アンプ)の音を比較試聴頂こう、というのがこの番組の基本的な目的です。こんな感じで今日は三種のアンプで5通りの音を収録しました。
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SV-S1616D/多極管仕様。EL34とKT170を聴き比べていただきます。
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SV-P1616D/多極管仕様。ここではKT150とKT170を聴き比べていきます。多くの方が興味をもたれるところでしょう。
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最後にSV-8800SEをKT170で…。私どものアンプでは約8割の方が上記3アンプではKT150をお使いな訳ですが、これまで試聴を重ねた結果、KT170はKT150に対して更に際立つ透明感と一層歪み感の少ないクリアな音色が最大の特徴と感じます。

プレート損失85Wという巨大な定格を有する異端のKT170ですが、昨今の大プレート損失球ブームは、言い換えれば負荷に対してより強い安定した真空管が求められるようになってきていることの証左であることをを改めて認識しました。

続いては2022年初オンエア二本連続企画「超お宝!”Vディスク”一本勝負 featuring 小林真人(前編/後編)」の収録でした(前編1/7,後編1/21オンエア。翌週リポート)。年明け最初の回は小林さんにご登場いただくのが当番組の吉例となっています。
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ジャズベーシスト小林真人さん。トラッドジャズを牽引する第一人者である小林さんですがジャズSP盤のコレクターとしても大変有名な方。今回は私も初耳「Vディスク」なるものをスタジオの多数持ち込んで下さいました。
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これがVディスクのレーベル。ネット情報を総合するとVディスクとは1943年~49年、第二次世界大戦中および戦後の数年間に米軍が前線や占領地の兵士に公式に配布したレコードのことで、Vは「Victory(勝利者)」の頭文字のようです。専用の蓄音機や楽譜とともにパラシュートで戦地に投下され、戦後には船便などで占領地に届けられた、米軍が兵士に配布した慰問用官製レコードと言えるかもしれません。

観るのも聴かせていただくのも初めてのVディスクですが、言うならばSPとLPのはざまのような存在で大きさは12インチ(LPサイズ)で素材はヴィニールですがSP盤と変わらない厚みで手に持つとずしりと重い感じです。回転数は78ですが再生カーブはRIAA,カートリッジはSP用で良いと言われているようです。

陸軍と海軍それぞれが制作し合計約1100タイトルがあるようですが、今回陸軍版の200番台から900番台を古い順に聴かせて頂いた感じでは初期と晩期では音が全然違っていて当時のアメリカで僅か数年間の間に急速に機材や録音技術が進歩したことを伺わせます。個人的印象ですが初期盤はSPカーブ, 後期盤はRIAAと変えて再生してもいいかも...という感じです。
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これが演奏中の写真ですがSP盤と違うのは蓄音機のように数十~100グラムの高真圧を掛けず収録ではDENONのDL-102SDを通常の針圧でプレイしています。

驚くべきはその内容で国威発揚のための軍歌かと思いきや基本ジャズ。ピアノソロからイージーリスニング系ビッグバンド, ヴォーカルものなど多種多様な音源が用意されています。オンエアではベニー・グッドマン, レスターヤング, デユーク・エリントン等の演奏をお楽しみ頂けます。

この番組の出演に留まらずSP盤のオーソリティとして様々な番組でゲスト出演のご経験がある小林さん。それもあってか最近はSP盤で聴くジャズのレクチャーイベントの講師なども務められていらっしゃる由。詳細は小林さんのブログをご参照下さい。

…という訳でMUSIC BIRDでの仕事納めが出来、いまはホッとしています。明日夜には会社に戻って再び作業の日々が再開となりますが少し気分転換が出来て良い出張となりました。




by audiokaleidoscope | 2021-12-17 23:59 | オーディオ

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