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放熱で音が変わる

暮れも押し迫ってきて何かと気ぜわしくなって参りました。先週あたりから急激にオーダーが増え始め、受注配送担当もパンパンの状態です。追って詳細をアップしますが12/27(月)が年内最終発送ですので年内に製品を受け取りたいという皆さんはお早めにご注文をお願いいたします。なお完成品(組立代行 含む)は1月末以降のお届け予定です。

技術関連業務も特に修理案件がかなり逼迫してきています。現在の状況では最速で着手が2月(以降)という状況ですので、まず機器メインテナンスご希望の皆さんは先にメールでお知らせいただき、順次発送のお願いをさせていただく形で対応したいと考えております。

私の今日は今週末に控えたMUSIC BIRD収録の事前準備(データ収集)。年内最終OA(12/24, 12/31リピート)で収録を予定しているのが「KT170一本勝負」。ビーム管のトップエンド球として新登場したTung Sol KT170を各種アンプで試聴しながら徹底レビューしていきます。
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SV-P1616D/KT170
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SV-8800SE/KT170

現在KT170が使用できるとメーカーが公表しているアンプは非常に少数ですので、KT170標準仕様の量産アンプが出てくるまでには相当の時間が掛かると思われますが、当社製品ではSV-S1616D, SV-P1616D, SV-128BII(完売), SV-8800SEでの実装実験を完了しております。早々に在庫有の製品についてはKT170仕様を最強バージョンとしてラインナップに追加するほか、単売も始めますのでご期待下さい。

ここで小ネタをご紹介させて頂きます。例えばKT170をSV-S1616Dに使うと考えた時、皆さんは「アンプがチンチンになって壊れたりしないだろうか?」なんてご心配をされるのではないでしょうか。例えば845のようにプレート表面が200数十度まで上がる真空管もありますからイメージとしては「大型球=高温」という感覚は確かにあるでしょう。

では実際に測ってみましょう。
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まずSvetlana EL34をS1616Dに挿してみます。最も身近なタマの一つですね。電源オンからちょうど1時間後に非接触の赤外線温度計でプレート中央温度を測定してみると175℃~180℃のレンジであることが分かります。
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そしてこれがKT170。画像が見難いですが、同じように1時間後の温度を測定してみると105℃~110℃のレンジであることが分かります。意外や意外、KT170の方が約70℃も低いのです。

よく考えてみると思い当たるかもしれませんが、高速道路を100km/hで走る時、軽自動車と大型サルーンでどちらがエンジンの負荷が大きいでしょう?言い換えればどちらが回転数が上がるでしょうか。上の写真が物語るのはEL34(プレート損失25W)とKT180(プレート損失85W) では余裕度が全く違うということです。プレート損失をエンジンの排気量に例えると分かりやすいかもしれません。

KT170のスペックそしてアンプ実装時の特性比較から電極構造ならびに電気特性においてKT150とKT170は非常に近似しています。二週間程度に亘る検証の結果、KT170は物理的形状(ガラスのサイズ)と放熱向上により更に高いプレート損失を獲得した出力管と言うべきものと判断しています。

ただしKT150とKT170では音はかなり違います。明らかにKT170の方がクリアで抜けが良く、大出力時の歪み感がない…この辺りの真価と特徴を今週の収録でお伝えできればと考えているところです。

放熱の改善で真空管自体のプレート損失が上がり、音まで変化するというのは今回初めて経験しました。暮れのOAに是非ご期待頂ければと思います。



by audiokaleidoscope | 2021-12-13 23:59 | オーディオ

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