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アルコール洗浄

今日は会社で修理上がり品と組立代行品の出荷前最終チェック。最後の関所ですからしっかり診させて頂きます。
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SV-8800SE/KT150キット組立品。調整がうまくいかず音が歪っぽいというご相談をいただき、性悪説的視点で内部チェックをしたり通電検査を行いましたが異常なし。お客さまから「今まで色んなアンプを聞いてきましたが、正直これほど気にいったアンプ初めてです」というメッセージをいただいていたので何かあれば絶対みつけたいという覚悟で臨んだのですが、特性も問題なく調整値も正常。あるいはお客さまの環境的要因もあるかと思い、いったんお返しして様子をみていただくことになりました。
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SV-S1628D/845キット組立品。各所にグレードアップパーツを使って組まれた品物ですが、電源トランスの温度ヒューズ断線というトラブルでドックインした個体です。とても丁寧に作って頂いていたのですが+B回路にハンダ忘れの箇所があったのと中央電源基板のターミナルブロックのネジ締めが弱くC電源(バイアス)が正常動作せず過電流で電源トランスが異常発熱した模様。幸い845や他の部位にはダメージが見られず復活してよかったです。
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そしてSV-EQ1616D/松仕様の組立代行品の出荷前再測定。要は同じ測定をもう一度行って異常を検出するという一見無駄な作業のようですが、このダブルチェックがとても大切だと考えています。

熟練の職人が丹精こめて組立を行い綿密な測定と十分なエージングを経て実機がわたしのところに回ってくる訳ですが、数字(測定値)を過信しないことも重要です。測定値には必ず誤差があるという感覚を以て再測定を行うことで一層正しい状況を把握できるという考えですが、高度に分業され自働化されているようなインフラを持たない私たちは、こういう泥臭い方法でミスやトラブルを回避するしかありません。
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ところで先日のエントリーで中古品の検査工程でヴォリューム等のアルコール洗浄を行うことをレポートしました。意外や意外、これがかなり皆さんの興味を引いたようで、実際どうやっているのか教えてくれというご連絡を複数頂戴しました。

別に特別なことをやっている訳でも何でもなく、一つのお作法のようなものですがご紹介しておきます。用意するのは普通に売っている接点洗浄剤です。気を付けたいのは油分を含んだ接点復活剤は絶対に使わないという点です。
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上の写真は入力セレクター部を洗浄している状況ですが、ヴォリュームのように面で摺動する部分のみならず点で接触する部分にも有効です。写真のようなオープンタイプのものは接点位置、ケーシングされたヴォリュームでもスリット状に窓が開いているのが普通ですからそこから適量シュッと薬液を吹きかけます。大切なのは薬液を吹きかけた直後すみやかに接点を動かす(回す)こと。この動作によって洗浄効果が生じますから可動部分は必ず動かすようにします。
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基本アルコールですから放置しておけば自然乾燥しますが、洗浄効果を促進させる意味で業務用の高圧コンプレッサーで瞬間的にアルコールを飛ばします。この作業を二回程度行う訳ですがコンプレッサーの代わりにPC用のブロワーでも一定の効果があるでしょう。新品だから不要というのは早計で案外細かいチリ状のゴミがついているもの。当社から出る組立済, 修理済み個体は実施済ですが自作の方は稼働前に行っておくといいと思います。

なお設計的にグリッド電流が流れるような回路の場合は幾ら洗浄しても時間が経てば必ずガリオームになりますので、接点洗浄の効果は無いか、あっても限定的ですが、多くのケースで接点洗浄は電気的, 音質的に少なからずプラスになりますので励行したいものですね。



by audiokaleidoscope | 2021-12-12 23:59 | オーディオ

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