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3つのCetron(セトロン)845

最近Cetron(セトロン)5R4WGBについて書きました。戦車に載せられた整流管ということで興味をもたれた方もいらっしゃった由。

セトロン社の起源については詳しくありませんが歴史は古く、1980年代以降に真空管商社リチャードソン傘下に入って以降もアメリカ国内で数々の真空管を製造してきたことで知られています。その代表格がCetron 300BとCetron 845ですが、今日は人気があり且つ高価なCetron 845の世代による形状, 構造の変化を見ていきたいと思います。
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ここに3ペアのセトロン845があります。箱は全部同じ。でも世代によって中身がかなり変わっています。
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左から前期(90年頃まで), 中期(90年代中心), 後期(2000年中心)
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皆さんのなかで”セトロン持ってるもんね!”という方の殆どは上のいずれかだと思います。繰り返しになりますが左が中期,右が後期な訳ですがプレートを支持するロッドを補強する筋交いが交差しているか一本かの違いがあるかの違いがあるものの、他の部分の構造に大きな差異はなく音質的にも変わっていません。国内最終流通価格はペア25万円をこ超え、当時は”最後のMade in USA Tube”と呼ばれ珍重されました。お持ちの方は大切になさって下さい。
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今日ご紹介したいのは上の写真の右、初期タイプです。いまから30年以上も前の話で記憶が一部曖昧なところもありますが、この初期型は確か”Hタイプ”とか”845/H”と呼ばれていたような記憶があります。HがHigh Gradeを指すのかHeavy Dutyの意味なのかは定かではありませんが、中期以降とは構造が大きく異なっています。
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見るからに堅牢そのものな内部構造。特筆すべきはゲッターが一般的に知られるバリウム(銀色で鏡状に吹付けられている一般的なもの)でなくジルコニウム(無色)であること。ジルコニウムゲッターをご存じない方が稀に”使い古しか!”と慌てて連絡くださる場合もあったりしますが、見えないだけですのでご安心を。逆にジルコニウムゲッターの真空管は今や超貴重品です。

ロッド形状も中期以降とはかなり違うのがお分かり頂けるでしょう。RCA 845やGE 211/VT-4Cに近い雰囲気です。
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初期タイプのもう一つの外観上の特徴は管頂部です。真空管のアタマがキューピーちゃんのように尖っているのは皆さんよく見ると思いますが、この初期タイプは丸くトンネルにように管内にガラスが延ばされていてロッドを支持する金具が締結される構造になっています。これにより稼働中の振動や熱膨張に対しても安定性が高いと言われており、これもHタイプの大きな特徴であり魅力のひとつです。

音質的には845系に共通する輝かしく浸透力のある高域よりは中庸で滑らかな中域と繊細感が素晴らしいと言われています。その点ではRCA 845に匹敵するのが、このHタイプといえましょう。セトロンユーザーの中にはよくよく見たらオレのはHタイプだった!というラッキーな方もいらっしゃるかもしれませんね。

by audiokaleidoscope | 2021-12-09 23:59 | オーディオ

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