エレキットTU-8900で聴く 現行ハイクラス300B総まくり
2021年 08月 29日
今回が第一回ですが3~5回の連載記事になる見込みということです。以前から当社を知って下さっている方にはお馴染みの内容ですが、ここ数年で大幅に新規ユーザーさんも増えているので、ご参考になればと思い取材をお受けさせて頂きました。”Sunvalley Audio今昔物語”的な内容になるのではと期待しております。
続いては今日の本題、エレキットの新製品TU-8900(2A3/300Bコンパチブル シングルパワーアンプ)についてです。既にメーカーから正式にリリースも出ましたので、まずそちらを見てみましょう。

・2A3/300Bコンパチ(真空管自動判別)
・DC-DCコンバータ採用による超低残留ノイズ
300Bアンプはフィラメント直流点火が一般的で0.5mV~1.5mV/8Ω(程度)の残留ノイズとなるのが通常ですが、TU-8900は内部のDC-DCコンバータで300Bフィラメント電圧を生成していることから0.1mV~0.2mV(実測値:A-Weightedなし)というプリアンプ並みの超低残留ノイズを実現しています。
という結果になりました。
少し脱線しますがNFB(Negative Feedback)とはなんでしょうか?NFBが広く知られるようになったのは1947年のウイリアムソンアンプからですが、大ざっぱに申し上げると増幅回路にNFBを掛けることによって
内部抵抗の低減(ダンピングファクターの向上)
残留ノイズの減少
等々のメリットがあり、現行の真空管アンプの大半が何らかの形でNFBの恩恵に預かっているといえます。一方で多量の(過重な)NFBにはデメリットもあります。NFBの基本が出力信号を入力に戻すことから
ゲイン(利得)の減少

ちなみに10/1(金)オンエアのMUSIC BIRD「真空管アンプ一本勝負」ではTU-8900で各種ハイクラス真空管による比較試聴(無帰還モード)をお楽しみ頂けます。

※価格はすべて出力管のみ、アンプ本体価格は含まず




以上 5種類の比較を行っています。クリアネスと締まり優先の場合はELROG, KR, 高槻がお奨めですし、解れた倍音感優先の場合はPSVANE WE, 本家Western Electricが良いでしょう。無帰還モードではそれぞれの300Bの温度感や肌合いの微妙な差異まで感じられますので、是非オンエアでTU-8900の魅力を体験して下さい。
当社でのTU-8900の価格等詳細は9月上旬にホームページ上でお知らせいたします。ラインナップとしては
真空管なし
梅セット(JJ 12AU7/ PSVANE 300B)
竹セット(JJ 12AU7/ Prime 300B ver.4)
松セット(Gold Lion ECC82/ PSVANE WE300B)
最強バージョン(Gold Lion ECC82/ Western Electric 300B/ Arizona Cap.)
の5バージョン(+2A3で2パターン)の展開を予定しています。どうぞお楽しみに!