このお休みは県境をまたぐ予定はとりやめ、近場中心の納品やセッティングのお手伝いの日々です。
今日はSさん宅でデジタル系のブラッシュアップ。
CDプレーヤーはいままでプロ機で固めてこられたSさんですが、どうも音が硬いということで当社リファレンスシステムにグレードアップ。
TL3-3.0(CDトランスポート)から
AES/EBUケーブルで
SV-192PROII/Brimar 13D5仕様(DAC)へ。
音質向上の最大のポイントはクロックです。CDを聴く場合の基本設定。
MC-3(マスタークロック)は44.1kHzを基準として×1倍(=44.1kHz)をTL3へ、×4倍(=176.4kHz)を192PROIIへ送るアサインにします。ベルトドライブのトランスポート+真空管DAC+クロック同期によってジッターから解放された聴き疲れのない真のデジタルサウンドを堪能できます。特に人の声と弦の質感復元には最適です。
大満足のSさんでしたが、今日の訪問の目的はこれだけではありませんでした。
パッと見わかりにくいですが湿式のレコードクリーナー。今日のメインディッシュは
Kirmuss Audio KA-RC-1納品とシェイクダウンテストでした。
カーマスを扱ったのは今回が初でしたが、従来の湿式クリーナー以上に使いやすく効果も抜群でした。イメージとしては眼鏡屋さんや時計屋さんで見かける超音波洗浄機の大型版で各種サイズレコードを洗浄しながら回すアタッチメントが付属している…と申し上げるとイメージしやすいかもしれませんね。
LPを差し込んだ状態がこれ。スイッチを入れるとゆっくりLPが回転して溝に付着した汚れを除去してくれます。洗浄時間は最大15分まで選択できますが通常の盤は5分で十分です。
クリーニングが終わったあとが実は大切。付属の不織布で丹念に水気を除去し乾燥させ...
除電ブラシで静電気を飛ばします。この工程が重要で盤面の汚れを取っただけでは本質的な高音質を望むことは難しいといれわています。レコードのプチ音の真因は汚れ以上に静電気によって盤面に付着した埃なのです。
ターンテーブルは
SP-10R。カートリッジは
SUMIKO。非常にクリアで立ち上がりの良い明晰な表現が魅力のMCカートリッジですが、クリーニング効果も相まって今まで聴いたことのない澄み切った音で大満足のSさんでした。決して安くないレコードクリーナーでしたが結果は大成功。これからLPを聴くのがますます楽しくなりそうです。