のデモ中にその活動は自然発生的に始まりました。大切なオーディオ機器を震災で失った東北の仲間に不要な機器を贈ろうと呼びかけたのがきっかけです。賛同くださった大阪,神戸,地元の仲間から預かった機器を車に積んで最初に伺ったのが当時、福島から埼玉 K市へ集団移転したWさんの仮住まいでした。
Wさんとの交流はその後も途切れることなく折に触れてお会いしてきた訳ですが、あれからはや10年…時間の過ぎるのは本当に早いものです。そのWさんからSV-S1616D/Western Electric 300B仕様完成の報が届きました。
今回製作着手のSV-S1616D(WE300Bver.)が無事に完成しましたのでご報告いたします。ゆっくりかかったつもりでも終わってみると早かった印象です。
サンバレーさんのキットの製作には、パーツの確認・整理を説明書の一覧表示と進行図と合わせて確認するところから始めます。特にネジ・ビス・ナット・ワッシャー関係は丁寧に分けて、使用場所を頭に入れておかないと後で大騒ぎになってしまいます。抵抗類も実測しながら梱包材上に整列させると作業がはかどります。
今回は整流管を使って余韻感と腰の低さを狙ってみました。三極管の一般的に言われているような音の弱さや低域の軽さはまったく感じません。パット・メセニーの「Turn Left」(LP)などはシンセの音の存在感は抜群です。やっぱり「さすが」ですかね。
早速というと変ですが、WE300B(2006)とPSVANE WE300B等々と比較試聴など行っております。今度の2021モデルは音の腰が太い印象です。中域の張り出し感もはっきり感じます。空間への拡散と広がり感は2006モデルが優る印象ですが、新しいWE300Bもこれからこなれて新しいオリジナル感をまとっていくんだろうと思っています。
Wさんのご了承を得て写真とメッセージの一部を掲載させて頂いた訳ですが、これまでのことを想うと万感胸に迫るものがあります。10年ひと区切りと言いますが、まだ終わっていない事も多いなかでWさんはじめ多くの仲間と今もオーディオで繋がり、歓びを共有できるのは何よりも嬉しいことです。