今日は久しぶりのHさん宅訪問でした。”
理想の音への「道」”のなかで反響の大きかった”達人限定! マルチアンプドライブのススメ”の主(あるじ)がHさん。当社ショールームでベルウッドランシングのスピーカーと偶然の出会いをしてから今日まで約2年…実に様々なトライを今日まで重ねてきました。
会社での比較試聴に始まり、実際Hさん宅への持込試聴やアンプの入替え、ケーブル等のグレードアップ…何度お伺いしたか分からないほどです。
そして今日はその総仕上げともいうべき日になりました。

Hさんの4ウェイマルチは現状でも充分満足いくバランスと質感で鳴っています。アンプは全帯域 直熱三極管アンプ計8台の組合せです。
スーパーツィーター/20kHz~ : SV-P1616D/300B(300Bプッシュプル)※
ツィーター/8kHz~:VP-2500SE(PX25パラシングル)
ドライバー/800Hz~8kHz:LM91A(300Bシングル)ウーハー/~800Hz:SV-86B(300Bトランスドライブプッシュプル)+SV-284D(845ブースター)
※スーパーツィーターはネットワーク内蔵のPT-R4(パイオニア)をパラレルドライブ
という布陣を支えるマルチアンプシステムの屋台骨、チャンネルデバイダー(以降チャンデバ)が今回更新されました。

写真の赤い筐体がそのチャンデバ。SV-12D(2005年頃)です。12AU7/5963を6本使った真空管チャンデバで2ウェイ/3ウェイに対応しています。

ベルウッドランシング付属のチャンデバはパッシブタイプでLCRで帯域分割しておりスロープも-6dB/oct.固定。対してSV-12Dはハイパス/ローパスのクロスオーバ周波数とフィルタ特性を個別に設定できる本格的なアクティブフィルターです。さまざまな組み合わせを試した結果クロスオーバーは変えず(800Hz/8kHz)、ローパス(ハイカット)側は-18dB/oct.、パイパス(ローカット)側は-12dB/oct.にして低域側のダンピングと高域側の繋がりを重視したセットアップとしました。
オリジナルの-6dB/oct.との違いは絶大で全体のS/Nが上がっただけでなくウーハーのスピード感(キレ)と高域の空気感(拡がり)が両立した”これぞマルチ”という音に様変わり。一方でいかにもマルチ臭いバランスにならないように調整するのがコツといえるでしょうか。圧倒的な下支えと三次元的音場の両立は”滝壺の虹”ともいうべきもので部屋全体が振動するようなエネルギーで再生してもクリアネスを失わない様子はネットワーク仕様とは隔絶した世界です。
その他、Hさんが対策された信号系はオール
Qrino, 電源系はオール
PSシリーズの効果も大きく寄与していることは言うまでもありません。Hさんと知り合って10年。気がつけばこんな所に辿り着いていた…そんな感じかもしれません。検索してみたら以前のHさんのシステムの写真がブログに残っていました。
リスニングルームも広くなってシステムもこんなに成長。ずっとその成長を傍らで見させて頂いた側としても感無量です。今日はチャンデバの入替作業の筈が、気がつけば全てのバランスをゼロから取り直して4時間弱の作業となりましたが、やってる本人が一番楽しませて頂いたような気がしています。とても充実した楽しいひと時でした。

今日はお休みを頂いていたので、家に直帰して今月の特選中古品の最終確認作業の続きです。

アンプ本体をエージングしながらHさんに今日のお礼のメールをしたら、すぐに返事が。
凄い事になりましたね!
2年前にベルウッドに偶然出会い、LM91AとSV-86Bを導入したこと、10年前に購入したSV-2500SEや途中でグレードアップしたSV-284Dがこのシステムにぴったりだったこと、そして今回のSV-12D。無駄な買物せずに、廻り道も無く、このグレードまでストレートたどり着けて本当にラッキーでした。
こういうお付き合いが出来るのも、ひとりひとりのお客さんと仲間としてお付き合いさせて頂けたからこそ。好きなことを仕事にできるのは本当に素晴らしいことだと感謝しています。