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SV-192PROII / NATO 13D5仕様

人間の勘(カン)というのは時にものすごく当たる場合もありますし、全然外れてしまう場合もあります。今回は後者。

SV-192PROIIの通常版(China 12AU7)とBrimar 12AU7版の需要バランスは当初半々で設定しておりました。Brimarが非常に高評価だということを踏まえても価格差があるし、まあそんなもんだろうと思っていたのです。

しかしフタを開けてみるとBrimarが全体の80%以上。その結果何が起こったかといえば当然のことながらBrimarの欠品です。そんな事もあって今日までずっとBrimar版だけ売り切れのまま時間だけが経っていた訳ですが、決してサボっていた訳でなく継続的にUKから追加調達を行うべく日々情報を集めていました。

その結果、しばらくは大丈夫という数を確保でき選別と実機測定も終わって今日からやっと再販売に漕ぎつけることが出来て少しホッとしているところなのですが、今回少し珍しいタマとの出会いがありました。まずは下の写真をご覧ください。
SV-192PROII / NATO 13D5仕様_b0350085_20045713.jpg
同じBrimarの赤箱ですがよく見ると品番が違います。オーダーしたのは間違いなく12AU7/ECC82。13D5という品番は多くの方にとって未知の番号だと思います。では誤品の混入か…といえばそうではありません。
SV-192PROII / NATO 13D5仕様_b0350085_20045719.jpg
Brimar 12AU7の最大の特徴であるロングプレートも電極形状も全く同じ。測定しても有意な差は全く見られず、Brimar 12AU7の最大の魅力の一つである高域の伸びも一緒です。

この13D5という品番について少し説明しますと…ごく簡単にいえば一般市場での小売用に製造されたものでなく軍用あるいは工業用にごく一部製造された指定納入先品番なのです。ではその納入先は…?といえばNATO(北大西洋条約機構:North Atlantic Treaty Organization)数年前に約15,000本の未使用13D5が放出されという情報がありましたから、これはその一部と考えて差支えないでしょう。いずれはCVナンバー管と同じように重用されることになると思います。

この13D5を無作為に抽出してFactory Code(工場の製造管理番号)から製造年次を確認してみたところ1960年代初頭の製造品であろうことが分かりました。

2F0: 1960/Jun/2nd week
3E0: 1960/May/3rd week
1B1: 1961/Feb/1st week
1C1: 1961/Mar/1st week

今まで扱ってきたBrimar 12AU7と製造背景(時期)も符合します。Factory Codeの記載もBrimar 12AU7と同じ「○○○/1571」。最初の3桁がPeriod Code(製造時期), 後の4桁が管種を示す符牒で1571=12AU7/CV4003です。

仕向先が異なるタマが混入していたという少しミステリアスな出来事であった訳ですが、こういう歴史の偶然みたいなものに遭遇できるのもタマ遊びの面白さかもしれませんね。今後暫くの間のみですが192PROIIはNATO仕様ということになりそうです。


by audiokaleidoscope | 2021-03-19 20:41 | オーディオ

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