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究極の私家盤に出会う

「私家盤」という言葉があります。定義的には”個人が利益目的でなく制作した音源”を言うようですが、恵まれたオーディオマニアの中には自分の好きなミュージシャンを集め、自分が好きな曲を、自分の好きなアレンジで録音して音源化するという夢を叶えてしまう人たちがいます。

例えば皆さんが「一番好きなミュージシャンを集めて最高のスタジオと最高のスタッフ陣でオリジナルの音源を作っていいよ」と言われたらきっとワクワクするに違いありませんが、それはお金と時間があれば誰にでも出来るほど簡単なことでもありません。

今日ご紹介するYさんとの出会いは今から4年ほど前。ジャズのライブの企画の傍ら真空管アンプの自作もされる元気なドクターという印象でしたが、そのYさんから久しぶりに連絡があって「今度はアナログレコードを創りました。マスタリングとカッティングは小鐡徹さんです。詳細は次号のアナログ誌に掲載されます」と伺い、早速音源を聴かせて頂きました。

12/30発売されるのは「Adult Toy Box」でPop. StyleとTrad. Styleの2タイトルで構成されています。
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早速針を下ろしてみます。何といっても巨匠 小鐡さんのリマスター&カッティングが凄い。CD音源と比較して音のエッジが明確でスピード感と立体感が増しています。カッティングレベルも高くボリュームをグイと上げると音がどんどん前に出てくる感覚はまさにアナログの魅力です。

聴きどころは敢えて各楽器の位置関係を狭めにパンし音像が左右スピーカーの中央に密集する感覚のセミ・モノラルともいうべき空間設計がまず一つ。そして70Hz辺りと12kHz辺りにアクセントを感じる音作り。細かく聴き込んでいくとTrad Styleの方が僅かに高域のEQが強めでローエンドがタイトな傾向があるように感じ、小鐡さんらしい音像の明確さとハイスピードさがビシッと決まっていて爽快そのものです。

ビジネスベースの発想からは決して生まれてこない贅を尽くした音作りとモノづくり…まさに究極の私家盤に相応しいクオリティです。是非ともぜひとも二枚セットで入手いただき、その対比を楽しんで頂きたいと思います。
by audiokaleidoscope | 2020-12-29 23:59 | オーディオ

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