「録音文化の日」によせて
2020年 11月 16日

文化庁ホームページ(注)でも紹介されていますが、1889年のエジソンさんによる蝋管式蓄音機より前にこういう発明が既にあったというのは驚きですね。「音を蓄えた」蓄音機より前の「言の葉を蘇られた」蘇言機…その懐かしい音への興味が尽きることはありません。
ところで私どもでは私どもでは毎月一回概ね10台程度の特選中古品をホームページで販売させて頂いておりますが、毎回半数程度が数分で売り切れてしまいます。販売終了から数年以上経過したような旧モデルにこれほどのニーズがあることに毎回驚かされる訳ですが、製造時期に関係なくご要望があることを大変嬉しく思っているところです。
今回買取りのメールを差し上げたところ様々な反応を頂戴した訳ですが、10年以上も途絶えていた旧知のお客さん達との交流が復活したり、愛機を売るつもりは毛頭ない!とお叱りを頂いたりと非常に濃密な日々を過ごしています。昔から売って終わり、ではなくて買って頂いてからが始まり…と何度も申し上げてきた訳ですが、まさに今それを肌で感じているところです。
真空管アンプは半世紀以上基本的なスタイルに変化がない熟成された技術。私どもの歴史は僅か20年余ですがその過程で生み出された機器に新旧はないと考えています。ユーイング先生の蘇言機には到底及びませんが、いつの日か「これはその昔サンバレーという会社がつくったアンプなんだよ」と言って頂けるように、一台一台しっかりメインテナンスさせていただくつもりですので、しばらくお時間いただければ幸いです。