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ふたたび「40万の法則」

今日はHさん宅にお邪魔してシステムの定期健康診断。
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プリアンプ: SV-310/PSVANE WE仕様
パワーアンプ
SHF : SV-P1616D(300Bpp)
HF : VP-2500SE(PX25パラシングル) モノラル×2
MF : LM91A(WE300Bシングル) モノラル×2
LF: LM86B(WE300Bpp) モノラル×2 + SV-284D(845ブースター)


という組み合わせ。いわゆる4ウェイのマルチアンプシステムです。オーディオの難しさは単に高級モデルを買えば良い音が出る訳ではないこと。先日も書いたようにトータルコーディネイトが出来ていなければ銘木で作った掘っ立て小屋のようなシステムになってしまう可能性すらあります。

特にマルチシステムは各帯域を受け持つアンプの音のつながりの良さも然ることながら、低域~高域までのエネルギーバランスが整っていなければなりません。特にHさんのようにモノアンプ中心のシステムでは左右のゲインも含めて完全に調整する必要があります。

マルチシステムに留まらずスピーカーで中高域のレベルをアッテネーターで可変できるものも数多くあります。仕事柄よく色々な音を聴かせていただきますが、多くの場合ツィーターのレベルが高すぎるケースが多いように思います。同様にサブウーハーを使っている場合も低域が出過ぎだと感じる場合がほとんどです。

折角ついているんだからツィーターがチン!といって欲しい気持ちは大変よく分かりますし、サブウーハーがド~ンと響いて欲しいというのも人情というもの。「鳴っていないように鳴らす」ことに徹することの大切さに気付くまで少なくとも数年はかかるかもしれません。

スピーカーの調整を行う時、いつも思い出すのは「40万の法則」です。これが本を読んで覚えたのか人づてに伺ったのか記憶がないのですが、自分の昔のブログ(2002~2012)を検索してみたら17年前(2003年)にこんな事を書いている記事を見つけました。

皆さん「40万の法則」って聞いたことありますか?その基本は、再生帯域が単に広いとか狭いとかでシステムの優劣が決まるというものでなく上下のバランスが大事という考え方で、スピーカーが再生する周波数帯域の下限と上限を掛けて大体40万という値に近ければバランス良く聴こえるというものです。

たとえば下限が20Hzで上限が20kHzであれば、20×20k=400,000。ウーハーの再生限界が33Hzであれば高域は40k÷33=約12kHz辺りで良いという目安です。簡単に言えば上が出過ぎていても下が出過ぎていてもダメ。音のやじろべいがちゃんと水平でないと本来のオーディオ再生は出来ないのです。


…現代はハイレゾの時代で理論値で100k以上までレスポンスが伸びている音源も幾らでもある訳ですが、だからと言って高域をむやみに上げるのは音楽の正しいバランスを逸する事にもなりかねません。目標は常に「巨大なフルレンジ」。どこまでも自然で繋がりがよく、それでいてソースに記録されている情報を細大漏らさず描き出すこと…アンプとスピーカーのマッチングを考えたり、スピーカーの調整を行うのは実に奥深く楽しいものです。時には引き算も必要ということですね。



by audiokaleidoscope | 2020-08-04 23:59 | オーディオ

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