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「音場」という概念

オーディオを評価するうえで基軸となる概念(言葉)が幾つかあります。ダイナミックレンジ, S/N, スピード感, 定位, 温度感, ソノリティ…真空管アンプにおいては倍音感なんて言葉も非常に重視される基軸の一つです。

オーディオ雑誌などで必ず出てくるこれらの言葉の中に「音場」という概念があります。何となく分かっているようで実際説明しようと思うと巧く説明できない言葉の代表格かもしれませんが、今日聴いたLPがまさにその「音場」を音で示しているように感じたのでご紹介します。
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7/25にリリースされたばかりの永峰高志さんの「ロマンス」。現在は大学で教鞭をとられていますがN響時代からのお付き合いです。

この作品は

ストラディヴァリウスが奏でる至高の響きを、重量盤アナログLPで
19世紀の巨匠 J. ヨアヒムが愛奏したストラディヴァリウスを、21世紀に屈指の奏者、永峰高志が奏でる。プログラムはヨアヒムと親交のあったブラームス、シューマン、クララそ してヨアヒム自身の作品を「ロマンス」を軸に編んだ興味深いもの。重厚かつ歌心溢れるロマン派作品を、当時の残り香を湛えた流麗な響きで聴かせる至高の1枚。
ハイレゾDXD384KHzによる高解像度レコーディング。
使用楽器
Violin: ストラディバリウス “ヨアヒム" (1723)
Piano: ベーゼンドルファー 290 インペリアル

という解説文が示す通り演奏, 楽器, 録音の三拍子が揃った作品。CD, ハイレゾ, LPの三種類がリリースされています。

これをLPで聴いていると実に深い三次元空間の中にヴァイオリンとピアノが”浮かび上がる”ように立ち上がり、あたかも自らが演奏会場に居るようなイリュージョンを感じます。楽器の間近で直接音を浴びるように聴くのが「音像的」と言うのであれば、静謐なピアニシモと美音が空間を満たすような、このLPの鳴り方こそ「音場的」と言えるでしょうか。
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今日はプリアンプがSV-300LB。パワーアンプがLM86B。たまたまプリもパワーも300Bですが、まさに永峰さんのヴァイオリンの美しさを最も自然に描き出しているように感じました。素晴らしいLPとの出会いに感謝です。



by audiokaleidoscope | 2020-07-27 23:59 | オーディオ

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