消えつつあるもう一つの灯

一昨日アップしたBrimar 12AU7ですが二日間で全在庫の1/3近い受注があり、測定(選別)が追い付いていない状況です。大変申し訳ありませんが、お待ちの皆さんにおかれましては今しばらくご猶予をお願いいたします。

既に今日音を聴いて下さってレポートをお寄せ下さる方々も。一例ですがSさんから戴いたメール。Sさん仰る通りBrimarチューブの最大の特徴は透明感と聴感上のSN感の良さということになるでしょうか。相場的には今が底ですが継続的調達が難しい事が分かっていますので興味のある方はお早めにどうぞ。

こうなると他のBrimarも気になるところですが、最も需要があると思われる12AX7は現状では手配が困難という状況です。もちろん継続して当たっておりますので吉報があればいち早くお知らせいたします。

Western Electric(米)につづきTelefunken(独), Mullard(英,蘭)も入手ルートがどんどん細くなり、あっても中古…という状況の中で今日はもう一つの灯が消えつつあることをお知らせせねばなりません。

SV-91B 2020年4月28日のエントリーより

この写真を見て”JENSENね！”と多くの方がお分かり頂けるほどに真空管アンプの音質向上決定打の一つとして周知されたカップリングコンデンサーの雄JENSEN(デンマーク)。私が初めてJENSENの存在を知ったのは確か2001年か2002年の真空管オーディオフェア会場でした。オーディオライターNさんから”すごいコンデンサーがある”と聞かされ興味を持ったのがきっかけだったのですが、まさかここまでメジャーになるとは当時誰も思わなかったでしょう。

あれから20年弱。押しも押されぬ存在となったJENSENに関する衝撃的なニュースがアナウンスされたのは実は昨年の秋でした。

Unfortunately, after over a 100 years of producing capacitors, Jensen Capacitors have announced they will cease trading by the end of this year. (2019年9月12日公表内容の一部)

詳細は不明ですがJENSENを製造していた会社の持ち主が変わり事業の選択と集中を行った結果の判断であるというのが専らの噂でした。第一報を聞き直ぐに国内代理店を通じて入手できる全数を確保して頂きたい旨を申し上げ、年末時点で相当量の在庫を確保することが出来ました。

一番悩んだのは何時どのような形で皆さんにお知らせするか…です。私どもが最も避けるべきは広報の方法を誤って一気に在庫が払底し、本当に欲しい方に行き渡らず変に市場価格が高騰することでした。従って在庫があるうちは普通にご提供していこう。どうしようもなくなるまでにJENSENの後継コンデンサーを探し出して高音質を求める真摯なオーディオファンの負託にお応えできる状況になってからお知らせしよう…と決めて今日に至ったという経緯です。

そしてJENSENの在庫もかなり減ってきて早晩供給をストップせざるを得ない状況となったと同時に相応しい後継コンデンサーの入手も決まりました。もしお手持ちのアンプをJENSENでアップグレードされたい方は在庫をこちらから検索いただき、容量が合うようであればどうぞお早めに入手をお願いいたします。

なお既に完成品等で正式に確保依頼を頂いている皆さんの在庫は確保済ですのでご安心ください。そしてJENSENにつづく後継コンデンサーにつきましては近日中に正式発表させて頂きます。どうぞ宜しくお願い申し上げます。