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ヘルメースときこり(金の斧 銀の斧)

皆さん、Stay Home週間をいかがお過ごしでしょうか?今年はこのタイミングでキット製作されている方が相当多くサポートも大変でしたが少しはお役に立てたのではないかと思っています。

元々キット製作はリモートワークで製品の性格上、間違いや勘違いを100%無くすことは不可能です。気を付けていても一旦思い込んでしまうと自らの過ちになかなか気づけないのは私自身も同じです。

この仕事を続けるためのたった一つの方策があるとすれば”お客さんと苦楽をともにする”こと。そのために”相手を信用すること”と思い続けてきました。一方で皆さんが一気に製作に勤しむ長期連休にときどき頭を去来するのは「ヘルメースときこり」の寓話です。

金の斧 - Wikipedia

マニュアルが分かり難いとか勘違いの元となりかねないとご指摘をいただいた部分は都度修正を行っておりますが、それでも完璧とということはありません。マニュアルは二次元、実際三次元的に難解なパーツレイアウトをする大変さはやった人しか分からないでしょう。だからこそ完成の爆発的感動は忘れられないほど大きなものになる訳ですが。最終的に私どもが頼りにするのは既に何百人(以上)の方がこのキットを無事完成されている…という実績のみです。

昨日こんな仕様変更を行いました。中古品で入手されたというSV-501SE(300Bシングル)です。
ヘルメースときこり(金の斧 銀の斧)_b0350085_12261218.jpg
ヘルメースときこり(金の斧 銀の斧)_b0350085_12262118.jpg
回路変更は全く行っておりません。パーツもキット標準です。何を変えたかといえば300Bの向き、それだけです。

SV-501SEはシャーシレイアウト上、電圧増幅部が300Bの前にあって、電源トランスが出力管の後ろに居ます。配線が冗長にならないようにパーツレイアウトすると300Bのフィラメント(1-4ピン)がトランス側を向くことになります。もちろんこれはマニュアルに記載されている事項ですし、1997年のオリジナルモデルM-501以降この部分は不変です。

一方で世の中の300Bアンプの多くが1-4ピンがフロントパネル側を向くのが一般的です。真空管メーカーも1‐4ピン側が正面ということを想定してロゴ印刷されたものも多い訳ですが、今回この思い込みによってお客様が深く考えずにロゴを正面に向けた状態で無理やり挿入。伺えば購入時にマニュアルがついていなかったということですので事前に確認しなければ起こり得るミスです。

UX4ピンソケットはUS8ピン(KT88やKT150など)と異なり誤挿入防止用のガイドピンがありませんから”なんだかやたらキツイなあ”と思いながらも180度反転した状態でも入ってしまう場合があるのです。挿入前にソケットを確認しない方が悪いと言ったところで誰も浮かばれません。

この状態で通電すれば当然トラブルが発生します。高価な300Bが壊れてしまうのはお客さんにも私どもにも何らメリットはありません。このケースに限らず不幸なトラブルを20数年何度も見てきましたがお客さんの反応も様々です。

”間違って反対に挿しちゃいました(汗)”という方もおられますし”300Bが初期不良だ”と主張される方も稀にですがいらっしゃいます。実はこのパターンに限らずパーツトラブルに関しては原因を推測するための検査方法が確立されており、現物をみれば何が原因かは調べれば分かるのですが、私どもは部品の正否よりもお客さんの心の奥底を覗いているような気持ちになることも稀ではありません。

原因が私ども側にあれば真摯に対応するのは当然ですし、仮にそうでなくてもお客さんに寄り添って安心してお使い頂けるようになるその日までサポートするのも私どもの重要な務め。モノは売って終わりというものが多いですが、私どもの仕事は”買って頂いた時が始まり”なんだということを改めて認識するこの時期。良いお休みになりますように。


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by audiokaleidoscope | 2020-05-03 12:46 | オーディオ

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