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SV-EQ1616D ローンチ

”待ちにまった”という言葉があるとすれば、それは今日のためにあった…そのくらい嬉しい今日。企画スタートから2年、SV-EQ1616Dキットの出荷が今日から始まります。

製品の内容についてはこれまで幾度も申し上げてきましたので今日は繰り返しません。昨日(というか今日未明までかかって)組立マニュアル(21ページ)と「使いこなしガイド」(14ページ)を刷り上げて今から出荷作業です。今日は突貫で仕上げた使いこなしガイドの一部をお目にかけたいと思います。
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ターンオーバーとロールオフと言っても多くの方が初めて触れるワードだと思います。簡単にいえば各ソース(LP, SP)の周波数特性を最適なEQ特性にアジャストするための調整箇所で、ターンオーバーが1kHz以下、ロールオフが1kHz以上の帯域をコントロールしています。特にロールオフの連続可変は本機ならではの特徴でもあるので大いに活用いただきたいと思っています。

上図にも書いてありますが市場のマルチカーブ対応のEQには本来一致させるべき基準周波数(1kHz)のゲインが2dB以上変化するものが結構ある訳ですが、EQ1616Dでは1kHzのゲインを一致させているので音色以前に音量(差)で印象付けを行うようなギミックはありません。

またサンプル購入したマルチカーブ対応のEQではターンオーバー周波数は可変できてもそれぞれの低域特性までトレース出来ていないものが大半でした。EQ1616Dでは低域特性(周波数カーブ自体)も各カーブに合致させていますので、より正確な再生が可能です。
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これがEQ1616Dの各カーブの総合周波数特性です。これだけ見てもふ~んという感じですが、目線を変えてみますとかなり違った印象になるかもしれません。もしも…という目線でグラフを描いてみました。
最初は「もしもCOLUBMIAカーブのLPをRIAAで再生すると…」です。
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1kHz=0dBでdeg.RIAA(RIAAとの相対値)で描くとこんな風になります。理論値でなく実機取得値ですので再現性も高い訳ですが、かなり聴感上の中域が凹んでしまう事を示唆しています。

つづいては「もしもLONDONカーブのLPをRIAAで再生すると…」です。
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このグラフはかなりインパクトがあります。時々「LONDON(あるいはffrr)をRIAAで再生すると音がヘン」というお話を伺いますし、私自身も体験したことがありますが、これだけズレれば当然といえるかもしれませんね。単にトーンコントロールを下げて再生すれば良いというレベルの差異ではありません。

1954年にRIAA規格が発表されて以降も各レコード会社が独自の規格で録音を行いリリースしたことが分かっています(参考)。LP主要カーブに加えSP盤(欧州系, 米国系)までカバーしたEQ1616Dの真価を皆さんのリスニングルームで是非味わって頂ければ幸いです。
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by audiokaleidoscope | 2020-03-27 09:58 | オーディオ

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