

今日のオンエアを聴いて頂ければ分かりますが電気的にゲイン(@1kHz)を完全に一致させた環境でプリアンプの比較試聴を行うと聴感上は明らかにトランス付プリアンプの方が大きく聴こえます。これは一般的なオーディオ機器の測定法では分からないことですが、低域方向でのインピーダンスの安定化(ドライブ力の向上)により低域レスポンスが改善し、結果聴感上の音量が上がって聴こえるのです。カタログデータからは決して見えてこない真の機器の個性とポテンシャルを是非オンエアで体験頂きたいと思います。
個人的にはCDにはCDの良さがあり、アナログにはアナログの良さがあって一概にどちらが良いとか優れているというものではない一方、LPイコール単なるレガシーメディアでは全くないこともお伝えしたいなと思いました。ヒラリーハーン, カラヤン/BPO, エヴァ・キャシディ, アートペッパー, ジェニファー・ウォーンズ, リッキーリー・ジョーンズ…どれも名盤の誉れ高いものですが、どれもそれぞれの味わいがあってとても楽しい1時間になりました。旧譜だけなくなく新譜がCDと共にLPでリリースされる時代、まさにLP復活が現実のものとして起こっているのです。
とかくハードよりに傾きがちな”真空管アンプ一本勝負”ですが、今回はMさんのお陰で音楽を聴く歓びに満ちた収録になりました。来月の収録は二本連続企画でクラシックSP盤スペシャルを予定しています。真空管一本勝負はますます盛り上がりそうです!