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スペックでなく音質で

先日予約受付を開始したSV-EQ1616Dですが、発売前の予約台数ということで言えば過去第二位という予想以上の結果にたいへん感激しています。

グローバルな意味でのVinyl(レコード)市場の急進は下のグラフからも明らかです。
ここでVinylのマーケットシェアは全体の5%弱と言われていますが、一方で真空管オーディオフェア来場者アンケートでは25%以上の方がレコードを聴くと回答されています。つまりオーディオファン、更には真空管機器に興味を持つ方とアナログとの親和性の高さを如実に表しているといえましょう。まずは多くの方に興味をお持ちいただけたことにスタッフ一同心より御礼を申し上げます。

現状をお知らせしておきますと圧倒的に多いのが松セットで次いで竹セットと言う順番です。PSVANE WE274BASC 2.2uFは品薄(入荷待ち)が続く可能性がありますが、引き続き確保に力を尽くしていきます。

ところでSV-EQ1616Dが第二位ということは上には上があったということでもあります。それは何か言うとSV-192S/PRO(D/Aコンバーター)でありました。
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SV-192S(2008~)
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SV-192PRO(2011~)

SV-192S発売当時はまだハイレゾという呼称も知られていなかった時期で”アップサンプリング”という言葉が何を指すかもほとんど理解されていませんでした。CD(44.1kHz/16bit)を192k/24bitまでデータ拡張してからアナログ変換して且つ真空管バッファを経由して出力するという、それまで誰も考えなかった手法でデジタル音源をアナログライクな滑らかな音質で楽しめるという開発意図に多くのお客さんが賛同して下さり、店卸しをしない直販のみで2,000台近いセールスになるとは当時誰も想像しなかったことです。

デジタルの進歩は目覚ましいものがあります。今や11.2MHz/1bit(DSD), 768kHz/24bit(PCM)という時代で当時皆が目を丸くした192k/24bitという数字に何ら目新しさはありません。且つ廉価帯への普及も急速に進んだこともあって私どもは数年前に製造を完了しました。後継機の企画等は何度か持ち上がっては消え…という状況のなか決め手となる材料に欠いたこともあってニューモデルの立ち上げには至っておりませんでした。デジタルは私ども規模では小型化, 低価格化に追従できない、そういう思いがあったのも事実です。

しかし、その後状況は緩やかに変わっていきました。SV-192PROの最終ロットが入荷し在庫限りとなった頃から主にプロユース(スタジオ, PA等)を発端として急速にニーズが再度高まってきたのです。はるかに高機能で低価格なものが他に幾らでもあるにも関わらず、この時代に”スペックでなく音質”で選んで下さる方が多いことに正直とても驚きました。



SV-192PROの機能,音質については以下が参考になるかもしれません。



まだまだ他にもたくさんアーカイブ記事があります。それだけ多くの方に使って頂いてきた訳で、既に完売から2年以上になると思うのですが、ここへきてメンテ済の中古でもいいから入手できないか…再生産はしないのかというお問い合わせがどんどん入ってくるようになりました。

通常、製品の追加発注で2年も間が空くと部品の調達ルートをはじめ全てゼロスタートが普通ですし、昨今はパーツの製造中止も相次ぎ基本的には再生産不可能(にならざるを得ない)のが一般的です。昨年暮れにメーカーに電話して打診したものの自分の中でもほぼ100%断られるだろうと思っていました。

それが先月、先方から連絡をいただき”1ロットだけなら出来ると思います。ただし部品コストは大幅に上がると思いますが…”との回答をいただき、現在調整中です。再生産が決まりましたら改めてお知らせしますので、今しばらくお待ち頂ければ幸いです。




by audiokaleidoscope | 2020-02-06 23:59 | オーディオ

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