1/22 Stereo誌 試聴室にて
いつもは”聴いていただく”ことが多い訳ですが、今回は”聴かせていただく”機会を頂きました。まだオフィシャル解禁前なので詳しくは述べませんが、当社アンプ(SV-Pre1616D+SV-P1616D/KT120)をリファレンスにしたオーディオケーブル(電源ケーブル,インターコネクトケーブル)の比較試聴を行い、自らテスターとして自社アンプに最も相応しいケーブルを選び出すという企画です。

さらに言えばオーディオケーブルの試聴記事の多くは”低域が良く出る”とか”高域が伸びる”等、あたかもケーブルが何かを足しているかの如く書かれている(ように読める)記事が散見されますが、これは電気的には正確な表現とはいえず、個人的には”理想ケーブルは「マイナスゼロ」”…電気的に損失が限りなくゼロに近いもの、つまり入力された信号を些かもスポイルされず伝播されることを究極の目標として存在すべきものと考えます。
結果的に例えば”太いケーブルが低域がよく出る”という仮説があったならば、それは”断面積の小さいケーブルは低い周波数帯における損失が大きい傾向にある”とすべきであり、何ら技術的解説無しに単に良否を述べるのはオーディオアクセサリーの健全的発展に寄与するとは思えません。真空管アンプに関わる者の一人としてすべてのユーザーさんに理屈の面から電源ケーブルとインターコネクトケーブルを俯瞰した記事となればいいなと思っています。発売は2月19日ですので時期が来ましたら改めてご案内させて頂きます。
1/23 MUSIC BIRD収録(三本録り)
これまで話題になっていたものの正規代理店が決まらず入荷も安定していなかったELROG真空管(ドイツ)の輸入元が決まり、今後安定供給される見込みとなったことから、いち早く300B, 274B, 211, 845を総まくりテストを行いました。



続いて…



(2)4/3オンエア 「決定!ジャズに最適な300B 一本勝負」 スペシャルゲスト:平野聡さん(キングインターナショナル)
二本目は素晴らしいスペシャルスペシャルゲストをお迎えしました。1970年代からジャズ一筋。手掛けたアーティストはトミー・フラナガン, マル・ウォルドロン, ミシェル・ルグラン, バリー・ハリス, エリック・アレキサンダー…その他多数。プロデュース作品「シー・チェンジス / トミー・フラナガン・トリオ」が1997年グラミー賞ジャズ部門ベスト・インストルメンタル・ソロ部門にノミネイトという輝かしいキャリアを持つ平野さんがスタジオに登場です。





収録ではRVG(ルディ・ヴァン・ゲルダー)本人が作った世界に一枚のデジタルマスターで試聴させていただく僥倖に恵まれました。聞けばRVGスタジオにも6~7回行ったという夢のような話も飛び出しジャズファンならずとも必聴の収録になったと感じています。
(2)4/17オンエア 「高田録音 最新版 一本勝負!」
スペシャルゲスト:高田英男さん(エンジニア), 藤本草さん(プロデューサー), 藤本昭子さん(三弦)
最後は真打ち高田英男さんが手掛けられた新譜をフィーチャーした一時間。音楽業界はもちろんオーディオ業界にも計り知れない影響を与え続けてきた高田さんの次なる作品はなんと邦楽。それもジャズピアニスト 佐藤允彦さんと地唄 藤本昭子さんの唄, 三弦(三味線), 箏が織りなす全く新しい音楽を聴かせていただく又とない機会になりました。

今回収録で聴かせて頂いたのは高田さん持参の192kHz/24bitのマスター音源。邦楽というと枯山水に通じる枯淡の境地をイメージされるかもしれませんが、そこは高田録音。恐ろしいダイナミックレンジの広さに痺れること間違いなしのスーパーハイファイサウンド。佐藤さんのピアノが後ろにいて、三絃がその前に浮かび上がったところに昭子さんの声が凄いリアリズムで屹立する様子は、サウンドノベル(音の小説)のよう。その広大な世界観は聴く者すべてをノックアウトするに違いありません。


お仲間を集めて完成のお披露目会をやるからとお誘いを頂いてお邪魔した部屋の心地よさは写真からも伝わってくるのではないいでしょうか。リッチな響きと低域に質量感のある音楽のための空間です。

