天気が少し心配な今週末の東京ですが、自分の力で何ともしようがない事を心配するよりも自分で変えられることを全力でやるしかありません。今日、フェア当日まであと6日という段階で
14日(祝)のタイムテーブルを大幅に変更しました。
詳細はこちらですが、ご覧いただきたいのはこの部分です。

これを見て一番喜んでいるのは私自身なのかもしれません。最初に狼煙(のろし)を上げたのは去年の8月。実際製品企画に着手したのは更に1年近く前ですから、頭の中に”1616シリーズでフォノEQを!”というアイディアが浮かんでから2年以上が経過したことになります。
開発自体は途中まで極めて順調に進みました。真空管機器のなかで最も技術的に難しいと言われるフォノEQですが、私どもでは既に5モデルの実績があり特に難所は見当たりませんでした。しかし皆さんに過分なご評価をいただくことになった1616シリーズの掉尾を飾る以上は、これまでの集大成となる「イロイロ」をこのフォノEQに盛り込まなければならない!という思いがいつしか大きくなり過ぎていたかもしれません。
通常フォノEQはMMカートリッジのRIAA単一カーブ準拠で機能としては合格です。高級機ではMC入力を備えるものもありますが、それでは飽き足らず入力2系統はもちろんRIAAだけでなく各種イコライゼーション(COLUMBIA/old NAB, LONDON, old AES)に対応, 果てはMONO出力も選べ、EU系, USA系のSP盤用カーブにも対応する…等ありったけの風呂敷を広げたことが原因で大きな壁にぶち当たることとなりました。
SUNVALLEYの製品は私の頭の中でイメージが生まれ、それを具現化するために社内外の技術者が叡智を結集させて実際の製品へと形作られていきます。その意味では私が掲げた”All Purpose”(=レコードを聴くうえで必要な全ての機能を一台に凝縮する)ことは嘗てない技術的チャレンジを内包していました。結果として本プロジェクトは一旦は暗礁に乗り上げたものの、その後ステークホルダー各位の協力のもと更に機能を追加し復活の運びとなりましたことを報告申し上げます。本当によかったです。
基本設計の手堅さもあって内容的には以前お知らせしたものと変わっておりません。一点オールオーバーのゲイン(利得)のHI/LO切替機能が追加されました。その意味ではより緻密な音作りが可能になったといえるでしょう。お待ち頂いた分、皆さんに楽しんで頂けるフォノEQとして今回のフェアで本格的な試聴タイムを設けることとしたのが今日のタイムテーブル変更の主な理由です。お知らせが直前となりましたことをお詫びいたします。是非会場でEQ1616Dの音をお楽しみ頂ければ幸いです。