
開発自体は途中まで極めて順調に進みました。真空管機器のなかで最も技術的に難しいと言われるフォノEQですが、私どもでは既に5モデルの実績があり特に難所は見当たりませんでした。しかし皆さんに過分なご評価をいただくことになった1616シリーズの掉尾を飾る以上は、これまでの集大成となる「イロイロ」をこのフォノEQに盛り込まなければならない!という思いがいつしか大きくなり過ぎていたかもしれません。
通常フォノEQはMMカートリッジのRIAA単一カーブ準拠で機能としては合格です。高級機ではMC入力を備えるものもありますが、それでは飽き足らず入力2系統はもちろんRIAAだけでなく各種イコライゼーション(COLUMBIA/old NAB, LONDON, old AES)に対応, 果てはMONO出力も選べ、EU系, USA系のSP盤用カーブにも対応する…等ありったけの風呂敷を広げたことが原因で大きな壁にぶち当たることとなりました。

お知らせが直前となりましたことをお詫びいたします。是非会場でEQ1616Dの音をお楽しみ頂ければ幸いです。