

真空管アンプは電源に敏感というのは多くの方がご存じのところです。一次側(AC100V側)が汚れていたり変調を受けたりすると途端に電源トランスが唸ったり音が濁ったり…。毎年冬になって電気ストーブやホットカーペットが動く時期になると必ずお問合せが来る真空管機器と電源のデリケートな関係に頭を悩ませた方も多い事でしょう。私はご相談があるとオーディオ環境だけでも200Vから100Vにステップダウンすることをお奨めしていますし、試聴室もオープン当初から200V電源で音作りをしてきました。
クリーン電源についてはこれまで正直”一長一短”という印象だったのが偽らざる印象です。敢えて言うと”音がキレイになる代わりに力感が失われる(痩せる)”感覚を拭い去ることが出来なかったのです。そして実は多くの同志が同じような事を感じていることを知って以来よほど電源環境が悪くない限りクリーン電源をお奨めすることはありませんでした。
実機がこれ。光城精工のDA-6という新製品、もちろん初見です。入力4口で実負荷600VAまで大丈夫ということですので中規模システムであれば一台で十分賄える出力容量を備えています。回路も分からなければ技術的特徴も分からないまま天板の隙間から僅かに見える2台のトロイダルトランスと恐らくリップルフィルタと思われる大容量電解コンデンサー郡が確認できたので、形式的にはAC100Vを取り込んで一旦DC化した後に内部で定電圧化されたAC100Vを再生成する方式であろうことが分かります。過去あったクリーン電源の多くが同じ方式です。

思わずその場でメーカーに電話を入れて詳細を確認。納得したところで我が家でも使ってみることにしました。

