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クリーン電源のイメージを覆すDA-6

日々音を聴く仕事をしていて、多くの場合において何をどう組み合わせればこうなる…というシミュレーションは概ね織り込み済なのですが、時々”これはすごい!”と言わざるを得ない局面に遭遇することがあります。

今週は真空管オーディオフェア直前の打合せや調整ごとで後半都内に居た訳ですが、偶然その瞬間に立ち会う僥倖に恵まれました。
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B&W 805D3を300Bシングル(SV-S1616D)で見事に鳴らしているシステム。ケーブル類,インシュレータ類の吟味によって現状で十分な音力と情報量を満喫できている訳ですが、更に上を目指し電源そのものを見直したらどうなるか…という実験。いわゆる”クリーン電源”の追加によって音がどう変化するか、オーディオ好きなら誰もが興味を持たれるところでしょう。

真空管アンプは電源に敏感というのは多くの方がご存じのところです。一次側(AC100V側)が汚れていたり変調を受けたりすると途端に電源トランスが唸ったり音が濁ったり…。毎年冬になって電気ストーブやホットカーペットが動く時期になると必ずお問合せが来る真空管機器と電源のデリケートな関係に頭を悩ませた方も多い事でしょう。私はご相談があるとオーディオ環境だけでも200Vから100Vにステップダウンすることをお奨めしていますし、試聴室もオープン当初から200V電源で音作りをしてきました。

クリーン電源についてはこれまで正直”一長一短”という印象だったのが偽らざる印象です。敢えて言うと”音がキレイになる代わりに力感が失われる(痩せる)”感覚を拭い去ることが出来なかったのです。そして実は多くの同志が同じような事を感じていることを知って以来よほど電源環境が悪くない限りクリーン電源をお奨めすることはありませんでした。

今回たまたまお邪魔した先で”クリーン電源を入れるので変化を聴いて感想を…”というお話を伺い聴かせて頂いたのですが、今までのクリーン電源に対するイメージが全く変わりました。

実機がこれ。光城精工のDA-6という新製品、もちろん初見です。入力4口で実負荷600VAまで大丈夫ということですので中規模システムであれば一台で十分賄える出力容量を備えています。回路も分からなければ技術的特徴も分からないまま天板の隙間から僅かに見える2台のトロイダルトランスと恐らくリップルフィルタと思われる大容量電解コンデンサー郡が確認できたので、形式的にはAC100Vを取り込んで一旦DC化した後に内部で定電圧化されたAC100Vを再生成する方式であろうことが分かります。過去あったクリーン電源の多くが同じ方式です。
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これがDA-6。他の機器と一緒にラックに入れられるスマートさも魅力です。実際全ての電源をDA-6から取って電源を入れておもむろに音を出してみると、音が痩せるどころかロー側もハイ側もレスポンスが伸び全帯域の情報量が増えて音がグッと前に出るではありませんか!正直これには大変驚きました。変な言い方ですが紛うことなき真空管サウンドの厚みを残しながら空気感が圧倒的に改善される感覚です。

思わずその場でメーカーに電話を入れて詳細を確認。納得したところで我が家でも使ってみることにしました。
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全ての機器を賄う為には3台は必要なので本線系のSV-192S(DAC),フォノEQ(SV-310EQ),プリ(SV-192A/D),パワー(SV-86B)をDA-6から給電。大元は200Vからのステップダウンですので現状でも悪くない筈ですが、DA-6を使うと部屋全体のSNがグッと上がって今までマスクされていた音があったことを再認識。アナログ再生では低域の音階再生能力(分解能)が格段に向上しています。
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いまAMAZON music HDの試用中で色々とやっているところですがデジタルの音もヘッドルームが上がった感覚で極めて好印象です。せっかくの機会なので真空管オーディオフェアもDA-6を使うことにし、フロントエンド系機器はDA-6から給電して音質対策の一つとして大活躍してもらう予定です。



by audiokaleidoscope | 2019-10-05 23:59 | オーディオ

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