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日本でいちばん早いエレキットTU-8800インプレ(その2)

昨日のポストの続き、いよいよTU-8800内部にメスを入れてみたいと思います。
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エレキット独自の筐体設計。一般的な真空管アンプと逆の底板側がメインシャーシでトランスカバーと一体化した天板を被せる構造となっています。

写真をよく見て頂きたいのですが、基板のパーツ実装面は裏側。つまり組立後にパーツ変更する場合は一旦機構的にバラさないと無理という訳です。その意味ではカップリングコンデンサーなどのグレードアップは最初の組立時に行っておいた方が無難だということが言えるでしょう。
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組立マニュアルも回路図もない状況のなか、まずは分解してみて詳細を確認します。上の写真からお分かりいただけるようにシャーシ, トランス, 一枚基板から成る入/出力部, 増幅部の3ユニットで構成されている事が分かります。
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トランス類がアングルに固定された状態。ケーブルはコネクタ式となっているのもエレキット流。いちいちハンダ付けしたり外したりする手間が掛からないメリットがありますが、オール手配線に慣れた方には”真空管アンプもこうなったか…”と思われるかもしれません。温故知新によらない現代的発想が随所に見られます。

ちなみに出力トランスは一次側3.5kΩの15Wコア。電源トランスはRコアでいずれも日本製です。
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これもエレキット伝統の一枚基板。入力RCAプラグからスピーカーターミナルまで一体化した構造は他に類を見ないユニークなものです。
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写真上の破線で囲まれたパーツがカップリングコンデンサーです。C103/C203は電圧増幅段内のカップリングで容量も0.01uFと小さいのでデフォルトを敢えて交換する必要は希薄と考えますが、C106/C206は電圧増幅段と電力増幅段をカップリングする重要部分で音質的にも多大な影響を与える部分です。

昨日時点でデフォルトの音(標準カップリングコンデンサー,JJ ECC81/ JJ KT88)を確認しています。メーカーリリースに書かれていたKT88の標準オペレーション(モード:HIGH/ UL接続)ではたいへん闊達な音が聴ける一方、わずかに粗いかな…という印象を持ちました。個人的にはデフォルト仕様ならMODE:MIDDLE/ULとしてプレート電圧を下げたオペレーションの方がローレベルのニュアンスが聴こえる感覚です。

一方でTU-8800の魅力はシングルでありながら12.5W/chの大出力が得られるところですから、是非ともここは対策したいところ。そこで最初からカップリングコンデンサーの最高峰”JENSEN”を選択。TU-8800の指定容量である0.1uF銅箔タイプに交換してみます。
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デフォルトと比べると容積何十倍という大きさは伊達ではありません。超高級アンプにのみ採用されているJENSENの音質的魅力はその密度感と豊かな倍音にあります。

その他TU-8800で誰でも出来る音質向上策としてはやはり真空管のアップグレード。初段JJ ECC81/12AT7をMullard CV4024, 出力段JJ KT88をTung Sol KT150に替えてみます。設計変更を伴わない対策としてはこの組み合わせが”最強バージョン”(JENSENカップリングコンデンサーは別売)ということになるでしょう。
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動作はモード:HIGH/ UL接続。ここで現れた音はデフォルトとは比較になりません。わずかに感じていた尖鋭感が消え、音の重心が下がり、密度感が向上しKT150ならではのスケール感と倍音が現れます。この音を一度聴くともう元には戻れないという印象です。これもTU-8800の基本設計がきちんとしているからこその効果と言えるでしょう。10時間ほどのエージングで円やかさも現れてきて試しにTRIODE(三結)モードも聴いてみましたが、やや細身にはなるものの繊細感が増しスピーカーによってはこのアサインも有り!という感じです。

昨日から二日に渡ってTU-8800について勉強させて頂いた訳ですが、最初この企画を伺った時の”TU-8200Rとの差別化がうまくいくかな…”が杞憂であることが分かりました。実際デモ機を拝見させていただき、その音を聴いてエレキットが敢えて倍の価格で上位モデルを作ろうと考えた意図がしっかり理解できた感じです。ひと言、とても良いアンプです!

気になる私どもの取組みですが、標準モデル(JJ ECC81/ JJ KT88仕様)を販売させていただくのはもちろん、別にSVバージョン(専売)も検討していきます。具体的にはオール真空管なしバージョン, 限定で最強バージョン(JENSEN 0.1uF, Mullard CV4024, Tung Sol KT150仕様)も追加して、グレードアップ前提の方に後から追加費用が発生しないような対策も出来ないかと思っています。

価格発表は10/7(月)を予定しています。そして実機の音は真空管オーディオフェア初日に聴いて頂けますのでご興味ある方は是非ご注目下さい!

※本ポストの画像,内容はイーケイジャパン(エレキット)のご厚意により発売前に掲載の許可をいただきました。この場をお借りし御礼申し上げます。


by audiokaleidoscope | 2019-10-01 23:59 | オーディオ

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