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日本でいちばん早いエレキットTU-8800インプレ(その1)

増税前の駆け込み対応も今日でひと段落。明日からは10月という訳で年間通じて最大のイベントである真空管オーディオフェアもあと二週間弱に迫ってきました。

様々なアレンジメントを進めている中で今日はフェア初日(10/13日曜日)15:15~16:15(頃)で予定している盟友エレキットの新製品TU-8800(多極管コンパチシングルアンプ)のお披露目デモに向け、たった一台のデモ機をお借りしシェイクダウンテストを開始しましたので二回に分けてその魅力を深く掘り下げてみたいと思います。

まずはメーカーリリースに目を通して頂いて製品概要を理解しましょう。

1. 概要

今やコンパチといっても誰も驚かない時代になりましたが、本機のスペックを見て誰しもが注目するのはその最大出力(KT88使用時/12.5W+12.5W)でしょう。一般的なKT88シングルの最大出力は8W/ch程度。対してTU-8800は通常の約1.5倍の出力を絞り出しているところが最大の特徴であり、魅力といえましょう。
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●品名    :多極管シングル真空管アンプキット
●型番   :TU-8800
●付属真空管 :KT88×2、 12AT7×2 
●定格出力  :12.5W+12.5W ( KT88-HIGHモード・UL接続 THD 10% )
●定格入力  :360mV 
●残留ノイズ :90μV(IHF-A)
●周波数特性 :12Hz~55kHz(-3dB)
●入力imp. :50kΩ
●出力imp. :4~6.3Ω、8~16Ω(背面のスイッチにより切替)
●入力端子 :LINE × 2 (LINE1、LINE2):RCAジャック 
        3.5mmステレオミニジャック(LINE2と兼用し差込時にLINE2はカット)
●出力端子  :スピーカ出力端子 :金メッキネジ式ターミナル (バナナプラグ使用可)
        ヘッドホン端子  :6.3mmヘッドホンジャック
●電源電圧  :AC100/200V 50/60Hz (3Pインレット)
●消費電力  :95W          
●本体寸法  :W350×H204×D324mm (突起部を含む)
●本体重量  :約12kg ( 電源コード含まず)

2. オペレーション

以前私どもでもSV-128Bという多極管シングルのフラッグシップモデルが存在しました。KT88で15W/ch以上,KT150でなんと25W/ch以上というシングルで驚異的な出力を叩き出したモデルです。
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SV-128B/KT150仕様

TU-8800の大出力はSV-128Bと共通のフィロソフィ、つまり余裕ある電源部と出力トランスのコアサイズアップによる大出力であり、決して出力管をレッドゾーンまで振り込むような使い方をしている訳ではありません。

加えて特筆すべきはTU-8800が使用するビーム管,五極管に合わせ最適な動作条件(HIGH/MID/LOW)を選択できるようになっているところ。これによりメーカー公表ベースで21種類もの出力管を無調整で差し替えができるところが画期的です。過去1機種でこれだけのコンパチビリティを標榜したアンプは世界的にも例がありません。

加えて出力管の動作も”UL”(Ultra Linear) と”TRIODE”(三結)が選択できるところもユニークです。簡単に言えば1台で3×2=6通りの動作条件をアサイン出来るという訳です。
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ユニークといえばエレキット独自の”アクティブオートバイアス調整”機能を忘れてはいけません。通常は自己バイアス(カソードバイアス)か固定バイアス(グリッドバイアス)のいずれかになる訳ですが、アクティブオートバイアスはカソード抵抗(55Ω)の両端に現れる電圧を検出し基準電圧との差分をゼロにするためグリッド電圧を自動調整するというエレキット独自の方法です。

ちなみに出力段の動作条件は従来の多極管シングルとやや趣を異にしています。一般的にはプレート電圧=400V程度, プレート電流=65mA程度辺りが多い訳ですが、TU-8800ではKT88で

MODE(HIGH):プレート電圧325V, プレート電流90mA →出力12.5W(UL)
MODE(MID):プレート電圧245V, プレート電流90mA →出力6.8W(UL)
MODE(LOW):プレート電圧260V, プレート電流50mA →出力4.5W(UL)


というデータが得られています。いわゆる低電圧大電流型のアンプと言えるでしょう。これに対し異常電流を検出時の保護回路はもちろん万一異常な温度上昇に備えてPTC(リセッタブルヒューズ)をA/B/C各電源に装備しているところも他メーカーの追従を許さないところです。
つまりTU-8800は現代スピーカーに相応しい大出力(ドライブ力)とシングルアンプならではの瑞々しさに加え、煩雑な調整が不要で且つ極めて使用上のリスクの低いアンプと言えると思います。

明日はいよいよアンプ内部の観察と皆さんが最も関心をお持ちの音質についてレヴューしていきます。加えて私どものスペシャルバージョン”TU-8800SV”についてもお知らせ出来るところまで公表させて頂きたいと思います。是非お楽しみに!

※本ポストの画像,内容はイーケイジャパン(エレキット)のご厚意により発売前に掲載の許可をいただきました。この場をお借りし御礼申し上げます。


by audiokaleidoscope | 2019-09-30 23:41 | オーディオ

SUNVALLEY audio公式ブログです。新製品情報,イベント情報などの新着情報のほか、真空管オーディオ愛好家の皆様に向けた耳寄り情報を発信して参ります。


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