

そんなことをして色々と弄っていると本日の道場やぶりの刺客が登場。CLUB SUNVALLEYに登場して数日であるにも関わらず既に1000人以上の方が来訪したduva123さんの記事に登場する”Add Horn"(追加延長ホーン:duvaさんのオリジナル)の効果の素晴らしさを新作(10㎝バージョン)で追体験させて頂けることになっていたのです。

音は全く外連(けれん)のない、言い換えれば妙にバックロードっぽい味付け(癖)を感じさせない非常にニュートラルで見事なもの。教会録音のパイプオルガンのレゾナンスもオンマイクで録られたヴォーカルのリップノイズも色付けなく再生する正確さも持っています。2003~2004年頃”ものづくりコンテスト”というタイトルで自作スピーカーコンテストを東京でやっていたことがありますが、その頃の興奮が蘇ってくるようなひと時でした。
あれから約30年、まだまだ草の根的ではありますが”ハイエンド前”への回帰が少しづつ、確実に起こっていることを感じます。例えばこのスピーカー、AERというブランドのフルレンジシステムですがナンと能率116dB/w/m!!

見た目は近未来的ですが発想的にはWestern Electric時代の超高能率ホーンシステムをオマージュしたものといえるでしょう。コンプレッションドライバーがダイレクトラジエーター(コーンユニット)に置き換わってはいますが、こういう温故知新的オーディオが現在グローバルに復権を果たしつつあるのは我々にとっては歓迎すべきこと。アンプの出力は2Wもあれば御の字です。
電気拡声技術が発明されて100年余…エジソン効果発見は1883年、Western Electricが三極管の製造に着手したのが1906年と言われています。その後日本でも製造が始まり1960年~70年頃は年間2億本の製造量に達しました。しかしその後急激に時代は半導体に舵を切り1979年日本国内における真空管製造は完全に終了。そして82年にCDプレーヤーが発売されてデジタルの時代になりました。
オーディオに限らず物事や人の考えは周期的に循環していると言えます。気がつけばLPの復権に留まらないアナログデバイスへの再注目が顕著です。特性や合理性と引き換えに捨てられてしまった何かに対する気づき…今さら何が4344だバックロードの自作だと笑われるかもしれません。しかしこんな時代だからこそ立ち止まって振り返ってみなければならない何かもあるように感じるのです。