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テストプレス盤の衝撃

こういう仕事をしていると時々奇跡のような体験をすることがあります。今日はまさにそんな一日でした。

きっかけは先日のヨドバシ試聴会。田中伊佐資さんとのトークライブを聴いて下さったTさんと何となくお話していて”ロックのオリジナル盤を中心に聴いているんです”と伺って仲良くなりました。オーディオのイベントというとクラシックかジャズかヴォーカルが多い。一方でリスナーの数で言えばロックやポップスの方が圧倒的に多いという二律背反に矛盾や不満を感じているという方も沢山いらっしゃるという話もよく伺います。

Tさんもそんな一人。伊佐資さんと私のトークに共感して下さって都内からご自身の愛聴盤を携え改めて試聴にいらっしゃったのですが、何が凄いってそのLPのクオリティと希少性。いままで色んな貴重盤を聴かせて頂いてきましたが、完全に頭一つ抜けているレベルです。

例えば…この白ジャケは何かと言えばテストプレス。マスターテープを元にカッティングした音質がアーティストの意向に副った音になっているかを確認する為のもので、いわばオリジナル盤よりも更にマスターに近い世代の音源。当然ながら音質的にも最高鮮度で枚数も精々数枚しかないと言われているのですが・・・下の音源はなんと!世界で最も売れたレコードと言われるEaglesのホテル・カリフォルニアのテストプレスなのです。これが日本にあるとは!
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メンバー全員のサイン入り。左上の7E-1084はAsylumレコードのホテル・カリフォルニア規格番号と一致。また中央上部の”AL Thanks”はホテル・カリフォルニアのエンジニアを務めたAllan Blazekへメンバーがプレゼントしたものであると考えられます(私の推測)。
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これが本体。
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中にはキューシートもそのまま残っている完全盤。レコードの内周部をよ~く観察すると…
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A面には"IS IT 6 O'CLOCK YET?"の刻印が。
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そしてB面には”V.O.L. IS FIVE PIECE LIVE”と手彫りされています。最初この意味が分からなかったのですが、調べてみるとこれが正式な識別子であることが分かりました。

From Asylum Records (6E-103) this is HOTEL CALIFORNIA by The EAGLES, an original (first) US pressing from December 8, 1976; playing time, 43:28. The LP is a true first pressing with “Is It 6 O'Clock Yet?" written in the matrix, Side One, and “V.O.L. is Five-Piece Live" written in matrix, Side Two. (POPSIKE.COM)

なんだか針を下ろすのも勿体ない逸品中の逸品ですが、恐る恐るコンタクトしてヴォリュームを上げると…私が持っているペラ盤とは鮮度感が全く違う。ドラムのシンバルのシズル感が別物です。Tさんご自身もこの音量で聴いたことがないということで”いやあ、すごい音ですねえ”と仰っていました。

今日は4時間以上かけて10枚以上貴重盤を聴かせて頂いたのですが、他にも…
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Steely Danの”The Royal Scam”(邦題「幻想の摩天楼」)のテストプレス。ギターはラリー・カールトン。Tさんは名盤”Aja”のテストプレスもお持ちとか!聴いてみたい!!

その他、オリジナル盤では…
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Led Zeppelin II。これはUK盤のオリジナルでマニアの間では通称”WRECK盤”と呼ばれ珍重されているものです。何故かと言うと…
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B面2曲目”Living Loving Maid (She's Just a Woman)”が何故か”Living Loving Wreck”とミスタイプされているから。そして当然のことながら音が凄いから。A面1曲目のWhole Lotta Love(邦題「胸いっぱいの愛を」はいわゆる通常盤とは隔絶した音と言われています。

更にはLed Zeppelin I(1969)。
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これは通称”ターコイズ”と呼ばれるオリジナル盤でバンド名とレーベルが青色(セカンド以降は赤色に)。総プレス枚数2000枚で現存するものは全世界で300枚~500枚のみというウルトラ レア盤です。

そして個人的に今日いちばんブッ飛んだのがコレ。
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見たところ普通のDeep Purple "in Rock"(1970)ですがA面1曲目”SPEED KING”の冒頭一分程度が私たちが聴いてきた内容と全く異なっているのです。

LPの内周部には「マトリクス番号」(ラッカーマスターの識別番号)が刻印されています。このin Rockのマトリクス番号はUSAならびに日本向けオリジナル盤(ワーナー)でA2/B1。つまりマトリクス番号A1は何らかの理由でボツになった訳ですが、今日聴かせて頂いたのは超貴重盤のマトリクスA1/B1のEMI盤。日本では滅多に見ることが出来ないものです。このカットされたイントロはIBCスタジオでレコーディングされたもので" Woffle"と言うタイトルまで付けられていた模様。最初SPEED KINGを聴いたとき聴き慣れたハモンドオルガンの静かな音色と全く違ったので面食らったのですが事情が分かってシビれました。

今日は博物館級のレア盤を立て続けに聴かせて頂いて舞い上がってしまいましたが、この体験を私だけに留めておくのはいかにも勿体ないと思い、10月の真空管オーディオフェア二日目の最後のコマで今日の音源プラス更に強力なテスト盤+オリジナル盤をロックオンリーで爆音で聴きましょう!と提案したところTさんから快諾をいただくことが出来ました。

今年の真空管オーディオフェアには会社から4344を持ち込む予定ですので、最後の時間は本にも書いた”ランク×クラス別システム構築ガイド”の「上級ロック編」的システム+最高の音源で盛り上がりたいと思います。Van HalenファーストやSteely Dan "Aja”のテストプレスを聴ける最初で最後のチャンスになるでしょう!お楽しみに!!



by audiokaleidoscope | 2019-08-05 23:59 | オーディオ

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