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ウレタンエッジの功罪

先週マルチ関連のポストをした際に”聴きたい方はどうぞ!”的なお知らせをしたところ、その後一週間でのショールーム来訪者数は恐らくオープン後16年にして最高記録ではないか思われるほど。明日で一連のマルチデモも終了。20数年ぶりに本格的なマルチ実験で格闘しましたが改めて幾つかの発見があり、今後のアンプづくりにも大きなヒントを得た想いです。

実は今回の題材となったBWLのスピーカー入荷とほぼ時期を同じくしてJBL4344(最初期バージョン)がショールームに仲間入りしました。
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非常に状態の良い個体ですが、この時期のスピーカーの宿命としてウレタン製エッジの加水分解が見られました。
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これがメインテナンスのために外されたミッドバス2122H。画像をよく見るとエッジ部分に無数の亀裂が入っているのを確認頂けると思います。当然この状態では所期の弾性が得られず正しいピストンモーションが行われないことは勿論、亀裂部分からのエア漏れも発生します。

暫く使っていなかったスピーカーの音を聴いていたら”何か変だぞ…”と思ってサランネットを外してみたらエッジが全周脱落していた、なんてお話は枚挙に暇がありません。寿命的にはだいたい15年ぐらいでしょうか…最初何となくエッジがベタついてきたな、から始まって暫くすると白いプツプツが浮かび上がってきます。この時点でウレタンが死んでいて、ここから少しづつ朽ちていきます。

対策はエッジを張り替えることで可能です。純正品の入手が出来ないケースでは劣化のない別素材(セーム革等)を用いるケールもありますが、ユニットの裸特性も少なからず変化する場合がありますので注意が必要でしょう。当然ながら張り替えの技術力も音に大きな影響を及ぼします。表から見るとマトモでもユニットを外して裏から見るとアチャー!というパターンも少なくありません。
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これは今から数年前オーバーホールでお預かりしたJBLパラゴンのウーハー。高級車一台買えるほどの投資をして手に入れたのがコレでは幾ら悔やんでも後の祭り。メンテは信頼出来る人にという鉄則を忘れてはいけません。今回の2122Hは名手、山形のレリック(旧オーディオラボオガワ)へ。最も信頼できるパートナーの一つです。
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かくして新品同様になって甦った2122H。見えないところまで完全な修復を図ってくれました。スピーカー製造の歴史のなかで最大の汚点と揶揄されることもあるウレタンエッジ。確かに定期的に張り替えが必要と言う面倒さはありますが、逆に劣化が明示的に見て理解できるというのは良い点でもあります。逆に怖いのが非ウレタンエッジのユニット。見た目はピンピンでもエッジが完全に固まってしまってFo(最低共振周波数)が大きくずれて低域が全く出ないという事例もたくさん見てきました。これについては改めて書くことにします。ひと言いえばアンプも同じですが”外観は綺麗でも長く使われていないものほどリスクが高い”ということ。これは作る側というよりは使う側の事情に依存することが殆どで、簡単に言えば日々使っているものほど調子が保たれているのはスピーカーもアンプも同じです。

4344が復帰したのでBWLがお嫁入りしたあとはジャズ/ロックは4344メイン、クラシック系ではDALIのEPICON6/OPTICON6/OBERON1が新たに入ってきていますし、万能フルレンジのLM69が皆さんのお越しをお待ちしています。現在非常のご予約が多い状況ですのでお早めにご一報頂ければと思います。
by audiokaleidoscope | 2019-07-31 23:59 | オーディオ

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