MUSIC BIRDで番組を持たせて頂いて5年半。たくさんの方がリスナーになってくれました。元々お客さんだった方が加入して下さったり、リスナーさんが番組を聴いて下さって真空管アンプに買い替えたりというシナジーが生まれているのはとても嬉しいことです。
一方で”加入したいだけどねえ…”と最後の一歩が踏み出せていない方もかなりいらっしゃることは以前から分かっていました。”何が問題なんです?”と伺うと二大要因は
1.アンテナをつけないと聴けない
2.聴きたい番組をやっている時間帯に家に居るとは限らない
であることが分かっています。アンテナは他のBSやCSアンテナと同じで加入時だけの問題ですが、加入しても聴きたい番組を聴き逃してしまうことが多いというのは私ども制作側にとっても大きな損失。その昔、90年代わたしはDATをオーディオタイマーと連携し待ち受けモードでエチェックしていましたが、今はそういう機能がついた録音機もなかなか見当たりません。
局側もこの状況を問題視し最近になって
タイムシフトコントローラーC-T10TMを新発売。TEAC/TASCAMのデジタルレコーダーと連携して最大32件の予約が可能となっています。SDカードにデータを取り込むことで色々なシチュエーションでMUSIC BIRD番組を楽しめるのは大変便利なことです。
ただコントローラー+レコーダーで10万円余の追加投資はこれから加入しようという方にはそれなりの負担です。そこで今日は簡易的にPCでMUSIC BIRD待ち受け録音ができる方法をご紹介します。機能ならびにクオリティという点ではタイムシフトコントローラーが有利ですが、用途を限定すれば以下の方法で充分目的を達成できる場合もあるでしょう。
用意するものはPCとUSBオーディオインターフェイス、これだけです。オーディオインターフェイスと聞くだけで降参!という方もおられるかもしれませんが、要はMUSIC BIRDチューナーから出ている同軸or光デジタル信号をUSBに変換するだけのこと。ちなみにSV-192A/D(完売)などUSB出力を有したA/Dコンバーターつきプリアンプをお持ちの方はオーディオインターフェイスを買う必要はありません。
この手のインターフェイスも価格はピンキリ。上を見ればキリがない訳ですが今回はコスパと実用性+音質を重視し
ART USB Phono Plusを購入してみました。元々はレコード等のアナログ音源をPCに取り込んでアーカイブする or CDに焼く等の目的に合致したA/Dコンバーターですが、これが便利なのデジタルはデジタル入力も持っているところ。これは実に便利で且つ安い!

手の平サイズでACアダプター(別売)から電源を取ることも出来ますがバスパワーも使えるので私はPCから電源を取っています。

真ん中あたりの紫色の端子がデジタル同軸ケーブル。MUSIC BIRDチューナーにつながっています。左の黒いUSBケーブルが出力でPCにつながっている、それだけ。フロントパネルの様々なツマミがついていてクラクラしそうですが、デジタル to デジタルなのでフロントパネル側でのアサインは一切ありません。これなら大丈夫ですね!
ついでPC側の設定です。待ち受け録音の為のアプリケーションをインストールする必要があります。これもピンキリで高いものは10万円を超えるものもたくさんありますが、今回ピッタリのアプリケーションが見つかりました。
それは
Recky2。
動作OS:Windows 10/8/7/Vista/XP
種類:シェアウェア/2,808円(3ヶ月間は無料)
作者:SumSoft
<録音機能・音声変換機能>
・録音中に無音検出や設定容量によるファイル分割ができる。
・録音停止後に各種ファイル変換を自動で行うことができる。
・録音したファイルの音声レベルを正規化やデエンファシス処理できる。
・録音したファイルのサンプリングレートを変換できる。
・録音したファイルをMP3に変換できる。("午後のこ~だ"または"LAME"を使用)
<タイマー録音>
・最大20件まで予約可能な録音タイマーを搭載。
・予約は年月日時分の指定のほか、毎週予約、毎日予約も可能。
・予約毎に保存フォルダ指定、保存フォルダ自動生成ができる。
・タイマー録音終了後にパソコンを自動的に終了させることができる。
・Recky2の起動と同時に予約録音を実行させることができる。
<ファイル名変換・ID3タグ設定>
・録音した複数のオーディオファイルのファイル名を一括して変換できる。
・MP3ファイルのID3タグの設定ができる。ID3タグはID3v1およびID3v2に対応。
・ファイル名の先頭に連番を付加することができる。
<曲名ファイル取得>
・STARdigioおよびMUSIC BIRDの曲名ファイルをインターネットから取得できる。
・取得したファイルから曲名とアーティスト名が抽出され、ファイル名とID3タグに設定できる。
<使用上の注意>
・Recky2を使用して録音したものは、個人として楽しむなどのほかは、権利者に無断では使用不可。
という多機能性も大きな魅力です。以下 手順を大ざっぱに説明していきます。

インストールが完了すると上の画面が立ち上がります。

注意すべきは入力/ファイルフォーマットの設定です。せっかくですのでなるべく良い音で録音しましょう。Recky2では最高48k/16bitが選択出来ます(
Recky2では24bit録音は出来ません)。また1ファイルあたりの最大容量も最高の2048MBにします。MP3録音も可能ですが別途DLLの追加が必要です(
ダウンロード元の例)。なお上のウィンドウでは”無音でファイルを分割”にチェックが入っています。1000ms(1秒)以上の無音を検知すると自動的にファイルを分けてくれる便利な機能ですが、トーク番組などはチェックを外しておいた方がいいと思います。

つづいてSRC(サンプリングレートコンバーター)の設定。上のリアルタイム変換は例えば元データが44k/16bitだったものをRecky2でアサインした48k/16bitにアップサンプリングするためのもの。音質は超高音質にチェックを入れます。

いよいよ具体的な録音の予約です。MUSIC BIRDチューナーの電源をオン。予約したいチャンネルを受信状態にします。まず”予約設定をクリック。
”新規予約”をクリック。
適宜ファイル名を決めて入力したあと、肝心の録音開始時刻と停止時刻を入力します。この際、開始を-1分、停止を+1分とすると頭やお尻が切れるのを防ぐことが出来ます。なおチャンネルをまたいだ待ち受け予約を一度に行いたい場合はタイムシフトコントローラーが必要となります。言い換えれば
Recky2では現在受信状態になっているチャンネルのみ待ち受けられるという訳ですね。

これで正常に予約できました。

そしてメイン画面に戻って”TIMER”を押さないと予約されませんので注意。なお右下の”タイマー録音後PC終了”にチェックを入れるとPCのつけ放しを回避できます。

曲目のダウンロードもしておきます。曲目の取得は
設定 > 曲目ファイル取得設定 でチャンネルを選びます。

データはデータはテキストとhtmlの両方が生成されます。

html版

テキスト版
…だいたいの流れは以上です。自動的にフォルダが生成されますので格納されたデータを各種再生ソフトで聴いてみます。

Sony Sound Forgeでの再生画面ですがFoobar2000やWindows Media Playerなどでも勿論再生可能です。
たいへん長くなりましたが、この方法で皆さんも簡単にMUSIC BIRDが待ち受け録音ができますので、既に加入された方もこれから加入される方もご参考になさってください。最後までお付き合い頂き有難うございました。